日差しをよける日除けスクリーンで太陽光発電をするー。そんなシステムを住宅設備大手のLIXIL(リクシル)が開発した。自社ビルで実証実験を開始しており、商品化に向け、節電効果などを検証していく。オフィスビルでの利用を見込んでおり、社会的課題となっているオフィスビルの二酸化炭素(CO2)排出量削減につなげたい考えだ。
開発したのは、太陽光発電モジュールを搭載した巻き取り可能なロールスクリーンシステム。発電した電力を活用して、赤外線リモコンでロールスクリーンを自動開閉できるほか、備え付けのUSBポート(タイプA・C)から給電もできる。発電性能は、平方メートル換算で64.8W。スマートフォンの充電や卓上ファン、卓上LEDなどでの利用を見込む。
また、光や熱の透過を抑え、断熱性能を向上させるために、ロールスクリーンの左右両端をレールでガイドする構造とした。エアコンの気流などに対しても揺らぎにくくなっている。施工にあたっては、屋内から窓まわりへ後付けもでき、既築のビルでも利用できる。
実証実験では、自社ビル内の既存窓部に99枚のロールスクリーン(約178平方メートル)を設置。発電や蓄電、ロールスクリーンの開閉状態をパソコン等の端末から行えるという。
同社ではこれまで、新築ビルの壁面に設置する太陽光発電設備を提供してきたが、施工やメンテンナンス面から既築ビルへの導入は難しかったという。今後、既築ビルにロールスクリーンを活用した後付け可能なシステムを普及させることで、既築ビルの電力使用量も減らし、オフィスビル全体のCO2排出量削減につなげたいとしている。
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