――商品開発に人工知能(AI)を導入した
「デジタル化に力を入れる。商品開発ツールの『アセスメントAI』は、狙った味を引き出すレシピを提案するほか、製造工程での品質リスクも提示する。これまで膨大な資料から開発者がチェックしていた。ルーティンはAIに任せ、よりおいしく、より機能性の高い商品を考案する時間に充てる」
――現場へのこだわりがある
「工場など生産部門のキャリアが長く、現場、現物、現実を指す『三現(さんげん)』の重要性を理解している。人間の味覚は非常に敏感だ。AIのレシピは参考にするが、客に受け入れられる味かという微妙な部分を、三現で確かめることの重要性は変わらない。三現が大切なのはどの部門も同じ。消費者に関するデータ分析はするが、店で本当にその通り動いているのか観察すると、数字に現れない事実がたくさん分かる。現場で感じることを、社内SNS(交流サイト)でも社員に発信している」
――社長就任後、社員や客との対話を重ねる
「改めて感じたのは、グループが目指す健康課題の解決に、キリンビバレッジの飲料事業が“どストライク”ということだ。独自素材『プラズマ乳酸菌』入り飲料や無糖・微糖飲料など、手に取りやすい商品を通じて、健康に寄与できる。高齢化が進む中、食品企業として未病・予防にどう貢献できるか。さまざまな手段があるはずで、挑戦にわくわくしている」(加藤園子)
よしむら・とおる 東大農卒。昭和63年キリンビール入社。キリンホールティングス執行役員グループ提携戦略担当ディレクター、常務執行役員経営企画部長兼キリンビール取締役などを経て、令和4年1月から現職。京都府出身
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