――足元の事業環境をどうみるか
「訪日外国人客が増え、厳しかったホテル事業が回復してきた。国内の低金利環境が続く中、分譲マンションの販売好調も続く。新型コロナウイルス禍でリモートワークが広がったが、オフィスの解約や縮小はあまり見られない」
――東京・渋谷は再開発でどういう街を目指すのか
「渋谷駅から半径2.5キロ圏内には原宿や表参道、青山、恵比寿、代官山、中目黒などが入ってくる。共通するのはトレンドや文化の発信基地であることだ。単にビルを建てるだけでなく、文化的な価値を高めて渋谷らしさを残しつつ、さらに発展させていきたい」
――渋谷周辺にスタートアップ(新興企業)を呼び込む取り組みをしている
「渋谷では、ここで起業し、巨大IT企業に成長した経営者が起業家を目指す人たちにアドバイスや出資をしている。そこへまた起業したい人が集まってくる好循環が起きている。世界的なスタートアップの集積地にするため、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の産学連携プログラムへの参加も決めた」
――太陽光など再生可能エネルギー事業の展望は
「発電所は開発中を含め89カ所、発電容量は約1580メガワットと、約1.5基分の原子力発電所に相当する。総額2400億円を投じ、令和7年度までに2100メガワットに引き上げたい。いずれ洋上風力発電にもチャレンジする」
――洋上風力発電のイメージは
「北海道松前沖が洋上風力発電の有望な地域に格上げされた。そこでの発電を検討しているが、多額の投資額と高度な施工技術が必要となることから、パートナー企業を探したい。海洋国家の日本では洋上の風を利用することが望ましい」
――北海道ニセコエリアの再開発も進む
「アジアナンバーワンの国際リゾートを目指している。12年度末に予定される北海道新幹線延伸に合わせ、ショッピングや飲食も楽しめる街にしたい」
(米沢文)
ほしの・ひろあき 慶大経卒。平成元年、東急不動産入社。経営企画担当取締役常務執行役員などを経て、令和5年4月から現職。東急不動産ホールディングス取締役執行役員兼任。57歳。埼玉県出身。
copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上