明治は28日、チョコレートを製造する過程で捨てられるカカオ豆の種皮「カカオハスク」を付加価値の高い商品に生まれ変わらせるアップサイクルを活用し、新たな生活様式を提案するライフスタイルブランドを立ち上げたと発表した。同社が食品以外のブランドを立ち上げるのは初めてで、複数の企業と共同で製作したカカオハスク由来の商品の販売も開始。カカオ種皮の再利用を促し、カカオの新たな需要創出を図る。
ブランド名は「CACAO STYLE(カカオ スタイル)」。カカオハスクを粉砕し原料に混ぜ込むなどして、チョコレートの香りを楽しめる家具や雑貨にアップサイクルした製品の活用方法を提案する。28日からは、伝統工芸や雑貨を作る企業と共同で製作した小物入れや花瓶など8商品を提携企業の通販サイトで販売を開始した。
同日東京都内で行われたブランド発表会では、アップサイクルした壁材や家具を配置し、ほんのりとカカオの香りに包まれた部屋を披露。カカオを活用した新たな生活様式のイメージを紹介した。カカオハスク練り込んだ繊維で作られたジャケットを着て登場した松田克也社長は「カカオに秘められた新しい価値を見いだしていく」と述べ、ブランド拡充に意欲を示した。
30日から7月2日まで、六本木ヒルズ(東京都港区)内で同ブランドを紹介する期間限定のポップアップストアを開く。
カカオの実は全体の約10%しか使用されておらず、カカオハスクは世界で年間約50万トン、日本では約5千トンが発生していると推計される。カカオハスクは油分を含み繊維質で粉砕しにくいため、主に飼料や燃料として再利用されている。
ただ、近年は技術の向上により、さまざまな製品へのアップサイクルが活発化。ロッテはカカオハスクをボタニカル原料として使ったジン「CACAO GIN」や、カカオハスクで染色したネクタイを今年1月から販売。紅茶や煎餅にカカオの香りをつけるためにカカオハスクを活用する企業もあり、その用途は多様化しつつある。
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