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» 2023年07月10日 08時30分 公開

災害情報をドアホンやエアコンがお知らせ 進む「家電に防災機能」

西日本豪雨をはじめ異常気象による災害が相次ぐ中、どの家庭にもある家電に、防災機能を付ける試みが進められている。

[産経新聞]
産経新聞

 西日本豪雨をはじめ異常気象による災害が相次ぐ中、どの家庭にもある家電に、防災機能を付ける試みが進められている。パナソニックは停電に備え庫内の温度を下げておく機能がある冷蔵庫や、災害情報をアナウンスするドアホンを販売。シャープはエアコンや空気清浄機で自治体からの防災情報が聞けるサービスの実験を行っている。災害時には地域の防災無線が聞こえにくいケースもあり、家庭の防災態勢を家電でサポートしていく考えだ。

シャープが行った、空気清浄機から災害情報を流す実証実験(同社提供)

 パナソニックは今年2月、住んでいる地域に暴風などの警報が出ると、停電に備えて庫内の温度を下げる予冷運転を行う冷蔵庫を発売した。国内メーカーで初の試みといい、停電の際にも5時間の保冷が行える。

 昨年9月に発売したドアホンには、河川の氾濫や火山の噴火、さらには鉄道の遅延まで通知する「安心アラート」機能を設けた。これらの家電はいずれも通信機能を利用しており、住んでいる地域を登録して使用する。

 シャープは家電の「しゃべる機能」を使い、災害情報を知らせる実験を進めている。

 今年2〜3月に1週間かけて行った初回の実験には、シャープ製で通信・音声発話機能のあるエアコン、空気清浄機、冷蔵庫を持つ数十人が参加。室内の家電から1日3回、時間帯を変えて「避難のルートを確認しておきましょう」などと呼びかけ、聞き取れるかなどをチェックした。その結果、高い位置に設置されているエアコンからの音声は聞けた人が多い一方、台所の奥に置きがちな冷蔵庫からは聞こえにくいことが分かったという。

 シャープは今後も実験を重ね、令和7年の実用化を目指す。災害時には自治体が対応に追われることが多く、同社は「自治体の防災担当者が、簡単な操作で情報を届けられるシステムの完成が目標だ」としている。(織田淳嗣)

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