――政府は「資産所得倍増プラン」を推進する上で顧客本位の営業を重視している。どう進めるのか
「来年に新しい少額投資非課税制度(NISA)が始まるが、当社も資産所得倍増プランに挑み、顧客の資産形成を支援し、持続的な関係を構築したい。従来は手数料の高い商品や特定商品を勧めたりする傾向にあったが、顧客と同じ目線に立って考える営業スタイルを根付かせる。顧客それぞれに合わせたコンサルティングを行い、商品の選択肢を広げる。誠実さを大切にして個の力を上げたい」
――具体的な取り組みは
「4月にビジネスマナーや顧客の考えを聞く力、商品知識などを学ぶ『コンサルティングアカデミー』を立ち上げた。社員のコンサルティング能力を高める。今年度から評価制度も改める。個人目標から収益項目を外し、顧客満足度を表す項目を導入する。収益的にペースダウンするかもしれないが、顧客と持続的な関係を作れる芽も出てきた」
――来年には金融経済教育推進機構が設立されるなど投資や資産形成の理解を深める動きも出てきた
「米国や英国は投資のリスクやリターンなどを中学生までに教わる。学生の間に金融リテラシーを身につけることが重要だ。当社も全国で出張授業を行っており、今年は昨年の2倍のペースで実施する」
――資本業務提携している楽天証券との連携は
「顧客が積み立てNISAで店頭に来るのは利便性が悪い。そういうケースはインターネット証券の楽天証券で対応する形にしたい。資産や事業の相続など富裕層に近い領域は、当社が対面で対応する形を考えている」
――5月に米国のM&A(企業の合併・買収)助言会社グリーンヒルとの買収に合意した
「米国の株式引き受け業務でトップテンを目指す。(銀行と証券業務を融合した)CIBビジネスを欧州やアジアにも広げる。日本企業の競争力も高めたい。グリーンヒルの顧客基盤を生かし、日本企業にM&Aや事業再編を積極的に提案していく」(黄金崎元)
はまもと・よしろう 慶大卒。平成2年、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。令和2年みずほフィナンシャルグループ常務執行役員、みずほ証券常務執行役員。3年から現職。56歳。神奈川県出身。
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