日本航空は31日、国内航空業界初となる量子コンピューティング技術を活用した航空機の整備計画の最適化に取り組むことを発表した。さまざまな制約条件が複雑に絡み合う整備計画の策定には長時間を要し、急なダイヤ変更への対応も難しいなどの課題がある。複雑な計算を短時間で処理できるとされる同技術の活用で、負担の劇的な緩和も期待される。
航空機の整備計画は、機材の使用状況、整備士や整備機材の数、整備項目など、膨大な制約条件を加味しながら策定する必要がある。その難しさから、限られたベテラン社員が手掛ける必要があり、急な計画変更には対応が困難などの課題があった。
日航は令和3年から量子コンピューティング技術を扱う「エー・スター・クォンタム」(東京都港区)との実証実験に着手。従来は1日あたり延べ8時間程度を要していた整備計画の作成業務が10分程度に短縮されるなど、大きな効果が確認されたことから開発を決定した。
システムが実用化されれば、年間2〜3人分に相当する業務の効率化に加え、最適な計画を自動的に策定することも可能となる。同社は「計画を最適化することにより、品質向上などの新たな価値創造につなげる」としている。
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