森ビルは8日、日本一の高さとなる約330メートルの超高層ビルなどが並ぶ再開発プロジェクト「麻布台ヒルズ」(東京都港区)の商業施設などを11月24日に開業すると発表した。工事が遅れている一部エリアは12月以降にオープンする。現地で初めて開かれた8日の記者会見で、多彩な都市機能が集約された“ヒルズの未来形”といわれる新しい街の全貌が明らかにされた。
「(コンパクトシティーの形成は)東京の持続的な成長には絶対に必要で、都市づくりの次のスタンダードになる」
地上64階建ての「森JPタワー」の33階にあるイベントスペースで開かれた記者会見で、森ビルの辻慎吾社長は同ヒルズが東京の成長を牽引(けんいん)する存在になると断言した。森JPタワーは大阪市の「あべのハルカス」(約300メートル)を上回る日本一の超高層ビルとなる。
皇居の南約3キロに位置する麻布台ヒルズは、六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズなどに続き、森ビルが展開する最新の「ヒルズ」シリーズだ。約8.1ヘクタールの区域内に住宅やホテル、オフィス、インターナショナルスクール、商業・文化施設、予防医療センターなどを備え、その機能は「職・住・遊」を超える。徒歩圏内に全ての機能を持つのがコンパクトシティーたるゆえんだ。
居心地の良さを追求し、通常の開発計画なら大型施設などを置く街の中心地を、約6千平方メートルに上る緑に包まれた広大な広場とした。中心地以外を含めた全体でも再開発前と比べて約6倍の2.4ヘクタールを緑地化する徹底ぶりだ。建物の高層化を図った分だけ、足もとの土地にスペースを作り出し、有効に活用した。
先進的な街づくりに挑んだ背景には、熾烈(しれつ)な国際都市間競争を生き抜くため、東京に海外から人材や投資を呼び込みたいとの思いがある。辻氏は「グローバルプレーヤーから選ばれる都市にならないといけない。選ばれるには単純にオフィスがあるのではなく、彼らが『子供を育てる』『遊ぶ』『憩う』『文化に接する』という機能がきちんとあることだ」と説明した。
森JPタワーには外資系高級ホテル「アマン」がサービスを提供する住居が高層階に入る。さらに60カ国以上の国籍の生徒が在籍する都心最大規模のインターナショナルスクール、居住者らに予防医療と運動プログラムを提供する慶応大関連の医療施設が入居し、大規模な商業施設も併設される。
ガーデンプラザと呼ばれるエリアには商業施設や美術館、オフィス、住宅、駐車場などが並ぶ。スタートアップの支援を進める新たな拠点も備える。
11月24日に商業施設約150店舗のうち約100店舗とギャラリー、スタートアップ支援拠点などが開業。今冬以降にホテルやデジタルアートミュージアム、高級ブランドが入る商業施設(10店舗)などが順次開業する。
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