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» 2023年08月18日 09時10分 公開

「消えかけ白線」AIでゼロへ 神奈川県警が早期補修に活用

神奈川県警は、人工知能を活用して消えかけている白線などの道路標示を検知し、早期補修につなげる取り組みを始める。

[産経新聞]
産経新聞

 神奈川県警は、人工知能(AI)を活用して消えかけている白線などの道路標示を検知し、早期補修につなげる取り組みを始める。車両に搭載したスマートフォンで撮影した画像データから摩耗状況を分析し、補修が必要な箇所を地図上に表示する。「消えかけ白線ゼロ」をスローガンに年内の導入を目指しており、道路標示の種類によって異なる管理者間で情報共有の迅速化につなげる狙いもある。(橋本愛)

 県警は令和2年度から複数の民間業者に委託して点検車両を走らせ、倒れそうな標識、消えかけている横断歩道や「止まれ」といった道路標示がないか調べてきた。新たな取り組みではこれまで点検委託の対象外だった中央線や車線境界線、外側線を点検車両搭載の専用スマートフォンで一定の間隔で撮影し、AIによる摩耗の自動検知、判定を行った上で線が薄い箇所を地図に表示する。

 AI判定の対象になる中央線などの摩耗状況は従来、警察官が現場を見て回ったり、地元からの要望を受けたりして把握してきた。道路標示は種類によって県警や県など管理者が異なり、円滑な状況把握が課題となっているため、県警はAI判定の結果を管理者間で共有し、標示の効率的な補修につなげたい考えだ。システム導入費152万円の補正予算は7月に県議会で可決された。

 県警によると、2年度から4年度までに実施された点検業者の横断歩道調査では標示部分の8割以上が消えていた箇所は全体の7%、6〜7割台が消えていた箇所は13%だった。これまでは8割以上が消えた横断歩道、「止まれ」の標示を対象に優先的に補修してきたが、今後は優先対象を6割以上が消えた横断歩道などに拡大し、それらの補修を来年度中には完了させる予定だ。

 AI判定の導入はこうした補修の取り組みを強化する施策と位置付けられ、県警交通規制課の担当者は「道路標示は県民の命に関わるものなので、取り組みに力を入れていきたい」としている。

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