日立製作所と東武鉄道は29日、手指の静脈と顔による生体認証で、デジタル空間に保存された公的証明書やポイントサービスなど、本人確認情報にアクセスできる共通プラットフォームを立ち上げることで合意したと発表した。幅広い業種で共通の生体認証プラットフォームを利用するのは国内初。実現すれば会社やサービスごとに発行される本人確認資料が一本化でき、本人確認や決済、ポイント付与などの手続きがワンストップで可能となる。
日立によると、生体認証プラットフォームを使うことで、利用者はさまざまな企業が提供するサービスの利用、決済などを快適に行うことが可能になる。企業側も自社での認証システム構築が不要になるほか、利用者の同意のもと、登録情報を営業活動に利用できるメリットがある。
今回の協業を通じ、日立はシステム開発や生体認証基盤の提供を行う。東武鉄道はプラットフォームを活用した顧客サービスの設計や自社グループでの先行導入を担う。
事業展開の第1弾として、今年度中に東武ストアの複数店舗で生体認証プラットフォームに対応したセルフレジを導入する。
記者会見では、セルフレジを使った決済のデモンストレーションが実施された。スタッフがセルフレジにビールを持ち込むと、レジの画面に「静脈認証を行ってください」と表示。スタッフがレジの横にある認証装置に手をかざした数秒後、会計が終了し、レシートが発行された。この数秒間に酒類販売の年齢確認、決済、ポイント付与の手続きが全て完了していた。
両社によると、今後は駅の入退場やホテルのチェックインなど東武グループの各施設での導入検討を進めるほか、幅広く参加企業を募集する予定という。(川島優治)
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