――米メディア企業のワーナー・ブラザース・ディスカバリーとの提携拡大の狙いは
「当社との合弁会社が既に提供している『ディスカバリーチャンネル』や『アニマルプラネット』など7チャンネルの番組を一体的に運営する。全国には数百のケーブルテレビ局があり、各局で7チャンネルの番組を放送してもらえるよう合弁会社が営業活動を広く展開する」
――インターネット配信でもこうした番組を提供するのか
「将来的にはネット配信でも手掛けていかないといけない。ワーナーもそんなに遅くないタイミングで始めるのではないかと思っている。ネット配信を始めるということになれば合弁会社として何らかの役割を果たすことを考えたい」
――始める際の課題は
「日本国内向けのローカルコンテンツが必要となるので、合弁会社で制作したり、他社から調達したりすることになるだろう」
――ケーブルテレビが提供するインターネットは速度が遅いとの指摘もある
「特にアップロード(上り)が遅いのが欠点だ。ある程度、上りの速度が必要なウェブ会議などでは苦戦している。ネットサービスは光回線が中心となっており、通信事業者との競争になってきている。品質的に光回線に負けないようにしないといけないので、光回線への切り替えを関西から順次、全国へと進める。従来のネット回線のインフラも活用しながら効率的に切り替えていきたい。今後は光回線とケーブルテレビの多チャンネルとのセットで顧客にアピールしていきたい」
――親会社のKDDIからケーブルテレビ事業を来年1月に承継する
「KDDIも当社以外のケーブルテレビ事業者に電話サービスなどを取り扱ってもらうよう営業を行ってきたが、他のケーブルテレビ事業者向けの営業活動を当社に集約することで効率化できるはずだ。長い目でみてコストも下がるとみて一本化することを決めた」
(大坪玲央)
いわき・よういち 東大経卒。平成元年、国際電信電話(現KDDI)入社。同社経営戦略本部長などを経て、令和3年JCOM副社長。4年から現職。58歳。福岡県出身。
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