JR西日本は21日、利用者からの要望や問い合わせを受け付ける「お客様センター」の業務を効率化するため、自動で文章などを作る生成AI(人工知能)を導入したと発表した。これまでオペレーターが手作業で行っていた通話内容の要約業務を、最大54%時短できるという。将来的にサービスの外販も検討する。
導入した生成AIは、チャットGPTなどをベースに東大発AIベンチャーの「ELYZA(イライザ)」がシステムを構築した。自動で文字起こしされた通話内容のテキストを生成AIの画面に貼り付けると、5〜25秒程度で要約された文章が出力され、記録として残る。オペレーターの業務のうち作業時間の長い「問い合わせ」「意見・要望」「介助申し込み」の3領域で生成AIを利用する。通話にない内容や誤った記述がある確率は1%程度で、オペレーターがチェックをして修正する。
JR西によると、お客様センターでのこの3領域の電話対応件数は月間3万件近くに上り、手作業での記録業務に約1400時間かかっていた。今年5〜8月に行った実証実験ではAIを使うことで作業時間は18〜54%削減され、9月19日から正式に導入した。
お客様センターを運営するJR西日本カスタマーリレーションズの堤恵理子社長は「会話の要約、記録をするにあたり、手作業では非常に労力がかかり、精度のばらつきもあった。オペレーターからは好評で私も手応えを感じている」と話した。(桑島浩任)
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