三菱商事は、米テスラや韓国ヒョンデなど海外電気自動車(EV)メーカーのディーラー事業を全国のガソリンスタンド(GS)で展開する。輸入EVの販売はEC(電子商取引)が主体で、地方にディーラーが少ないことから、地方のGSにディーラー機能を担わせ、輸入EVの販売を支援する。GSでは車両の展示、試乗、納車のほか、点検整備、タイヤ交換などを行い、収益拡大につなげる。子会社の三菱商事エネルギー(東京都千代田区)が事業検証を進め、3年後に全国100店規模で事業を本格展開する。
三菱商事エネルギーは、燃料油の特約店や同社が運営する自動車メンテナンス予約サービス「タイミー」を導入する全国約5千のGSを活用し、輸入EV向けにサービスを提供する事業の検証を今年から開始。第1弾として2月から3カ月間、熊本市の特約店が運営するカフェでヒョンデのEV「IONIQ5」の展示、試乗を実施した。現在は石川、富山、神奈川、大阪、宮城、熊本の6府県7店舗でテスラのEV「モデル3」を展示し、試乗の事前予約に「タイミー」を活用している。1年以内に10店舗に拡大し、3年後に全国100店規模で事業化する計画だ。
複数のGSで試乗客が輸入EVを購入しており、同社はGSが輸入EVの販売支援拠点になるとみている。取り扱う輸入EVはテスラ、ヒョンデに限定しない方針だ。
神奈川県横須賀市と鎌倉市のGSでテスラの展示、試乗を行う湘南菱油(横須賀市)の大庭大(まさる)社長は「EVが普及すれば給油需要は減少するが、GSはモビリティを支える社会インフラとしてEVユーザーに点検整備や車検、自動車保険、タイヤ交換、洗車などさまざまなサービスを提供できる」とし、運営する13のGS全店にディーラー機能を持たせる考えだ。
輸入EVの販売支援では、ヒョンデの日本法人がJ−netレンタリース(名古屋市)と提携し、9月末からJネットレンタカー5店舗でヒョンデの「IONIQ5」の試乗、納車、レンタルを行っている。GSを輸入EVのディーラーに活用し、全国展開するのは三菱商事グループが初めて。GS活用は自動車流通の新たなビジネスモデルとなりそうだ。
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