AI活用の「スマートビル」提供へ ソフトバンクと日建設計、合弁会社設立

[産経新聞]

　携帯大手のソフトバンクと設計大手の日建設計は25日、ITや人工知能（AI）技術を用いて建物内の設備やデータを自動で最適化する「スマートビル」の構築を支援する合弁会社を12月1日に設立すると発表した。ソフトバンクの情報通信技術と日建設計の建築技術を掛け合わせ、自律管理や運営を行い、自ら進化するビルを広く普及させることを目指す。

スマートビル構築支援の合弁会社を設立した、ソフトバンクの宮川潤一社長（右）と日建設計の大松敦社長＝25日、東京都千代田区（根本和哉撮影）

　新会社の名称は「SynapSpark（シナプスパーク）」で、ソフトバンクが51％、日建設計が49％を出資して設立する。スマートビルの基盤システムとなる「ビルOS」やアプリの提供を通じ、ビル全体の設備データを一元管理・連携できる仕組みを構築することを支援する。

　例えば、ビル内のセンサーで感知した人流データをビル内の設備と連動させることで、照明や空調を自動で調節したり、災害時にビル内の人に最適な避難経路を提示したりすることができる。ソフトバンクの宮川潤一社長は記者会見で「人の指示がなくても、ビルが自ら考えて行動できるということ。例えば汚れているフロアがあれば、ビルが自分で感知してお掃除ロボットを派遣する、というところまでやりたい」と意気込みを語った。

　メインターゲットは設計段階の新築ビルに設定するが、既存のビルや小規模なビルにもサービスを提供していく方針。将来的には技術の輸出や、スマートビルを街そのものと連携させた「スマートシティ」の構築につなげることも視野に入れるという。