国内で9500万人のユーザーがいる無料通信アプリLINEのサービスが11月以降に利用できなくなる「11月問題」が、間近に迫っている。LINEとIT大手ヤフーが10月1日付で統合してLINEヤフーが発足したのに伴い、プライバシーポリシー(個人情報保護方針)への同意が改めて必要となっているからだ。11月1日になって混乱しないよう、対処法を把握しておく必要がある。
LINEでは10月4日以降、動物のキャラクターが並ぶ「プライバシーポリシー統合のご案内」という画面が表示されるようになった。ユーザーが「同意する」か「あとで確認」をタップすると、表示は消える。このとき、同意を後回しにしたまま放置していると、11月になって慌てる可能性がある。
同意したかどうか忘れてしまった場合は、ホームタブ画面右上にある歯車のマークの「設定」をタップし、続いて「account center」をタップすれば確認できる。再表示されれば同意しておらず、別の画面が出れば既に同意している状況だ。
古いバージョンには「account center」がないため、アップデートする必要がある。
LINEヤフーは「10月中は同意を留保いただくことが可能ですが、11月以降は順次サービスの利用に当たりLINEヤフープライバシーポリシーへの同意が必要となる予定」と説明。
同意しない場合、「LINEアプリ上で提供されているLINEグループのサービスも一部、継続利用ができなくなる」と注意を呼びかけている。
プライバシーポリシーは個人データの利用目的や安全管理などについて記されているが、長文で、熟読せずに同意するケースがほとんどだ。
ITジャーナリストの三上洋さんは「従来からの大きな変更点は、データを置く国を明記している点だ」と解説する一方、「ダイジェスト版でも分かりにくい。変更点の概要をユーザーにより分かりやすく伝える必要がある」と指摘する。
ユーザーはLINEアカウントとヤフーのポータルサイト「Yahoo!JAPAN」のIDを連携させることもできる。
三上さんは「より多くのポイントが得られ、有料サービスも拡充する」と利点を挙げた上で、「ユーザーの趣味や嗜好に応じて広告が増えたり、ヤフーショッピングで買い物をしたら、その商品の広告が表示されたりすることもあるだろう。こうしたことを便利ではなく、不快と感じるユーザーもいるかもしれない」とみている。
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