健康総合企業のタニタは、昨夏から提供している暑さ指数管理サービスをリニューアルし、新名称「Thermoyed(サモエド)」として本格運用を始めた。複数地点の暑さ指数を自動収集し、パソコンやスマートフォンで熱中症注意レベルを確認できる。
健康総合企業のタニタは、昨夏から提供している暑さ指数管理サービスをリニューアルし、新名称「Thermoyed(サモエド)」として本格運用を始めた。複数地点の暑さ指数を自動収集し、パソコンやスマートフォンで熱中症注意レベルを確認できる。気象庁によると、今夏(6〜8月)も気温は高く、酷暑の到来が見込まれる。学校や公園、建設現場など、幅広いニーズに合わせた熱中症対策として注目を集めている。
厚生労働省の人口動態統計では、熱中症による死者は平成7年には318人だったが、令和5年は1651人と増加傾向にある。総務省消防庁によると、昨年5〜9月の救急搬送者数は全国で累計約9万8000人、うち初診時に確認された死者数は120人。熱中症は、深刻な社会問題となっている。
「サモエド」は、IoT(モノのインターネット)機器化した「黒球(こっきゅう)式暑さ指数計」を屋内外に設置することで、日射や地面からの照り返しによる輻射(ふくしゃ)熱が測定可能な黒球(中心部に温度計を配置)と、下部の温湿度センサーにより暑さ指数を測定。リアルタイムでクラウドサーバーに送信する。
ウェブアプリは暑さ指数計を設置した地点の気温・湿度・暑さ指数が確認できるほか、熱中症の注意レベルを6段階に分け、色でも分かる工夫を凝らした。さらに暑さ指数をグラフにしたり、地図表示にして複数地点の状況を俯瞰(ふかん)したりすることもできる。
同社量産設計部の森遥香さんは「昨夏までに活用したみなさんから、さまざまな声が寄せられた。管理する各地点のリスクが瞬時に、そしてより明確に把握できるように機器に加え、ウェブアプリの見やすさにこだわった」と説明する。
例えば、岐阜県の中学校ではグラウンドと体育館に設置し、校内の電子掲示板に暑さ指数を表示。生徒がリスクを知り、自主的に帽子の準備や水分補給などができるようになった。
また、東京都武蔵野市の井の頭自然文化園では、2年連続で使用し、データを蓄積することによって、時間や場所によって暑さ指数が大きく異なることが判明。ミストシャワーの設置場所の検討や動物の健康管理にも役立ったという。
危険な暑さへの対策については、公共施設は気候変動適応法、学校や保育園は学校保健安全法などの法令やガイドラインに基づき進められてきた。厚労省は今年6月、新たに職場の熱中症対策についても、罰則付きで事業者に義務付ける省令を施行し、さらに加速させる方針だ。
サービス名称「サモエド」は、熱を意味するサーモと、人懐っこい犬種サモエドからの造語で、人に寄り添う同社の理念を反映させている。森さんは「熱中症は防げる疾病。予防という視点で暑熱対策をする際にサモエドを役立ててほしい」と話している。
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明治学院大学 経済学部准教授