三菱商事、資源価格下落響き減益も商社首位奪還 伊藤忠など3社は増益を確保 3月期決算

純利益は、資源価格の下落などが影響した三菱商事、三井物産の上位2社が減益となった。ただ三菱商事は一過性利益が寄与し、2年ぶりに商社トップの地位を奪還した。

» 2025年05月07日 11時05分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 大手商社5社の2025年3月期連結決算(国際会計基準)が2日、出そろった。純利益は、資源価格の下落などが影響した三菱商事、三井物産の上位2社が減益となった。ただ三菱商事は一過性利益が寄与し、2年ぶりに商社トップの地位を奪還した。非資源分野が堅調だった伊藤忠商事、住友商事、丸紅の3社は増益を確保した。

決算会見を行う三菱商事の中西勝也社長=2日、東京都千代田区(佐藤克史撮影)

 三菱商事がこの日発表した25年3月期の純利益は前期比1.4%減の9507億円。日本KFCホールディングスの売却益やローソンが子会社から持ち分法適用会社に変わったことに伴う株式の再評価益が業績を押し上げたが、製鉄に使う原料炭や鉄鉱石など資源価格の下落を補えなかった。国内洋上風力発電関連の損失も響いた。三井物産は15.4%減の9003億円で退職給付制度の改定に伴う費用増なども影響した。

 一方、伊藤忠商事は9.8%増の8802億円で3年ぶりに過去最高を更新。ファミリーマートの中国事業再編に伴う利益などが寄与した。住友商事は45.4%増の5618億円。保有資産の入れ替えをした不動産や海外発電が堅調に推移した。丸紅は航空機リース事業の好調などで6.7%増の5029億円だった。

 26年3月期の純利益予想は三菱商事と三井物産が減益を見込む。三菱商事の中西勝也社長は決算会見で「(米関税政策による)世界経済の不透明感をある程度織り込んだ」と述べた。伊藤忠、住商、丸紅の3社は増益予想とした。(佐藤克史)

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆