セブン&アイ・ホールディングスは27日、東京都内で定時株主総会を開き、初の外国人社長となるスティーブン・ヘイズ・デイカス氏ら13人の取締役選任など全議案を承認した。
セブン&アイ・ホールディングスは27日、東京都内で定時株主総会を開き、初の外国人社長となるスティーブン・ヘイズ・デイカス氏(64)ら13人の取締役選任など全議案を承認した。ただ、カナダの同業、アリマンタシォン・クシュタールからの買収提案への対応は明示しなかった。単独路線維持かクシュタールの提案受諾か。デイカス氏は早期に国内外のコンビニ事業の成長戦略を示す必要がある。
「今までの10年よりも次の10年はもっと成長を遂げられる」。株主から新社長としての意気込みを問われたデイカス氏はこう強調。コンビニに集中するセブンの事業拡大に自信を見せた。
とはいえ、セブンの2025年2月期連結決算で本業のもうけを示す営業利益でコンビニ事業は国内、海外とも減益となった。総会では「コンビニに注力というが、可能性を感じない」(店舗オーナーの株主)と厳しい意見も飛び出した。
セブンは4月9日にも国内外のコンビニ事業をテコ入れする成長戦略を発表。ただ、物価高の長期化に伴う消費意欲の抑制や人口減の影響を受ける国内、同業他社と厳しい競争が続く海外、ともにコンビニ事業を大きく回復させる“特効薬”は見いだせていない。
流通業界に詳しい日本経済大の西村尚純教授は「(セブンの成長戦略は)いずれもインパクトに欠け、抜本的な業績回復にはつながらない内容という印象」と話す。
クシュタールの買収案への対抗策では、セブンは創業家による自社買収(MBO)も一時模索したが断念。単独路線維持を打ち出す一方、クシュタールと5月1日に敵対的買収をしないことなどを盛り込んだ秘密保持契約(NDA)締結を発表し、歩み寄りも見せる。
今後の焦点は今夏にも示す新たな中期経営計画となる。「しがらみなく、企業価値を高めてほしい」(神奈川県の男性株主)との期待に応えられるか。デイカス氏は早速、手腕が問われることになる。
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明治学院大学 経済学部准教授