ビッグデータと人工知能(AI)を駆使して1人1人に合った資産運用を提案するほか、グループ共通のポイントサービスも導入し、個人客の囲い込みを図る。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は27日、2026年度後半にデジタルバンクを開業する構想を発表した。ビッグデータと人工知能(AI)を駆使して1人1人に合った資産運用を提案するほか、グループ共通のポイントサービスも導入し、個人客の囲い込みを図る。「金利のある世界」が再来し、銀行業の稼ぎの源泉となる預金獲得につなげる。
3月に完全子会社化したロボットアドバイザー大手のウェルスナビと連携し、きめ細かく資産運用を提案する。いわゆるインターネット専業銀行とは異なり、実店舗で金融のプロにお金の相談をすることもできるのが特徴だ。
MUFGの亀沢宏規社長はこの日、東京都内で開いた記者会見で「デジタルとリアルのいいとこ取りで唯一無二の存在を目指す」と強調した。デジタルバンクを巡っては、みずほフィナンシャルグループがLINEと組んで設立を目指したものの断念した経緯がある。MUFGの構想が実現すれば、3メガ銀で第1号となる。
これに先駆けて6月2日には、個人向けの新たな金融サービス「エムット」の提供を始める。三菱UFJ銀のアプリをリニューアルし、グループの金融サービスを手のひらで使えるようにする。ポイントサービスも見直し、ためやすく、使いやすくする。
MUFGの亀沢氏は「(預金量や口座数などで)ナンバーワンを守っていくにはしっかりと対応しないといけない」と危機感を示した上で、デジタルサービス強化による利便性向上とポイントサービス充実によるお得感を打ち出し「攻勢をかける」と語った。
預金を集めるため、個人客を取り込む動きは他メガでも活発だ。三井住友フィナンシャルグループは15日、個人向け金融サービス「Olive(オリーブ)」とソフトバンク子会社のスマホ決済PayPay(ペイペイ)の連携を発表。みずほFGは楽天グループのカード会社に出資し、4月には「楽天ポイント」に交換できる「みずほポイント」を始めた。
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