管理工数軽減とスパム削減の「一挙両得改革」:総合大学のメールシステム改革(2/2 ページ)
メールシステムの管理はケースによっては、複雑さが伴い、管理を継続するために膨大なエネルギーを要する。スパム対策など緊急性を帯びた問題も含めて並行して対処するには――。
新メールシステム導入タイミングと一致したのは幸運
「スパムメールについては、ある程度その増加を予測していたのですが、06年のシステムリプレース直前から急に増加し、それが新メールシステムの導入タイミングとぴったり一致したのは幸運でした」と話すのは、駒澤大学の総合情報センターでネットワーク課の係長を務める成田早苗氏。SRAと共同で大学のシステム全体の適合性を検討してきた責任者だ。
また、ユーザー数の増加とともに、メールシステムにさらなる信頼性が必要になってきたと話す分銅氏は、「オープンソース系システムを可能な限り排除し、アプライアンスを選択することで、管理工数の軽減を図ることができました」と評価する。
「システムがシングルベンダーで提供され、かつ代理店からサポートも受けられることにより、万一障害が発生した場合でも原因がソフトウェアかハードウェアか、OSなのかを切り分けする必要がないのが安心です」(分銅氏)
システム再リプレースによるスパム削減の効果について、成田氏は次のように語る。
「スパム判定の設定は、ユーザー個人に任せていますので検知率に個人差がありますが、高精度な検知とエンドユーザによるジャンクメール管理機能などを生かして、必要なメールが削除されない安心感も、大学としては重要な要素と考えています。ただ、ある先生からは、毎日100件以上もスパムを受け取っていたが、数件まで減ったのでとても助かったという評価をいただきました」
そして、世の中の内部統制対応やコンプライアンスの高まりを受け、教育の現場でもメールセキュリティ、およびメールアーカイブの必要性が問われ始めるという成田氏は、「今後、大学にふさわしいメールセキュリティポリシーを策定し、それに対応するためのシステム強化も検討しているところです」と述べる。「月刊アイティセレクト」9月号の「業務革新 事例大研究」より)
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