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イーベイの日本市場復活は近い? カギを握るECトライアングルとはグローバル化するプラットフォーム

EC分野において、ゆっくりではあるが着実に成長を続けているイーベイ。再び日本のインターネット市場へ参入する日も近い……?

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 インターネット上で完結するプラットフォームに軸足を置いたEC事業者であるイーベイは、業績が引き続き順調に成長している。「イーベイ」(商品取引)、「ペイパル」(決済)、「スカイプ」(コミュニケーション)の三つの世界最強プラットフォーム(これを「ECトライアングル」と呼ぶ)において、それぞれから上がってくる収益の拡大はもちろんのこと、その相互連携の強化にも力が注がれている。

 特に注目されるのは、これまで直接的な連携がなかったペイパルとスカイプが機能的に融合し、ペイパルの口座を持つ者同士がスカイプの画面から送金できるようになったことである。なじみのない方のために分かりやすくいうと、携帯電話のショートメールでメッセージを送る感覚で、相手に送金できるというものだ。これは決済という意味でもかなり画期的なことである。

イーベイのさらなる躍進は日本進出がカギ

 イーベイが持つECトライアングルは強力で、その実績を考えれば当面グーグルに対抗できるのに最も近い立場にいるのはイーベイであるという考え方は、十分な説得力がある。しかし業績や戦略からいまひとつその実感が伝わってこないという、もの足りなさも感じる。ただそれは、華々しさはなくとも時間をかけて確実に世の中に浸透していくものとも思えるし、日本での実績が小さかったことが原因で実感に結び付いていないのかもしれない。

 あるいは、実は米国においてもイーベイのサービスは冒頭に述べたような先進的な利用者の間で磨かれ、次々に新しい利用方法や領域が開拓されるという状況になっていないのかもしれない。

 同社が日本への再参入を願ってやまないのは事実である。最近でも、日本語での詳細な利用ガイドページを提供したり、ペイパルの日本語版を開設している。しかし、やはり日本への参入にはこれらのプラットフォームをベースにした、何らかの大型提携や買収が必須だろう。逆にいえば、日本で断層的な業界構造の変化が起こる際の切り札として、同社は大きな役割を果たすことになるに違いない。その日は意外にそう遠くないかもしれない。

(「月刊アイティセレクト」掲載中の好評連載「新世紀情報社会の春秋 第二十回」より)

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なりかわ・やすのり

1964年和歌山県生まれ。88年NEC入社。経営企画部門を中心にさまざまな業務に従事し、2004年より現職。デバイスからソフトウェア、サービスに至る幅広いIT市場動向の分析を手掛けている。趣味は音楽、インターネット、散歩。


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