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革新的だったOracle Database 10gを超える「11g」の実力Oracle OpenWorld 2007 San Francisco Report(1/2 ページ)

「Oracle OpenWorld San Francisco 2007」は、初日の夕方にも基調講演が行われ、メンデルソン上級副社長が登場、顧客らの声を交えながら、Oracle Database 11gの新機能を紹介した。

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 米国時間11月12日、カリフォルニア州サンフランシスコで開催されている「Oracle OpenWorld San Francisco 2007」では、初日の夕方にも基調講演が行われ、Oracleでサーバ技術を担当する上級副社長、アンディ・メンデルソン氏が登場した。同氏は、先ごろ日本でも出荷が始まったばかりのOracle Database 11gの最新機能を、顧客の生の声とともに紹介した。


データベースを統括するメンデルソン上級副社長。東京のローンチイベントにも来日したばかりだ

 メンデルソン氏は、前バージョンであるOracle Database 10gが、メインフレームの機能、性能をオープンなプラットホームで実現したものだったと振り返る。そして、それをさらに進化させたのが、11gだとする。その証言者として、Pacific Gas and Electric Company(PG&E)のCIOであるパット・ラービッキ氏がステージに招き上げられた。

 PG&Eは、サンフランシスコに本社を置き、米国の西海岸でガスや電気を供給する企業だ。ラービッキ氏によると、同社はこれまでメインフレームを利用してきたが、各戸のメーターの差分を読み取る方式から、コンピュータベースの使用量計算へ方式変更したのに伴い、システムのオープン化に踏み切った。その際にデータベースも、Oracle Database 10g Real Application Clusters(RAC)へ移行、その結果、システムのメンテナンス費用を含め、総額で500万ドル近いコスト削減が実現でき、それを顧客に還元できたという。今後は、Oracle Database 11gの新しい管理機能に期待しているとした。

変化対応と高可用性という二律背反を克服

 最近のアンケート結果によると、企業のIT部門を最も悩ませているのは、「変化への迅速な対応」だという。「コスト削減」や24時間365日の「高可用性」がそれに続く。

 変化対応のためにシステムを変えなければならないが、同時に24時間365日システムを稼働し続けられる可用性も実現しなければならない。この矛盾する2つの課題を低コストで実現するにはどうすべきか? こうした顧客の課題に対応するのが、Oracle Databse 11gだ、とメンデルソン氏は話す。

 メンデルソン氏は、そうした視点から改良が加えられたOracle Database 11gの新機能について、あらゆるタイプのデータ管理、情報のライフサイクル管理、サービスレベル向上への取り組み、コストの最小化、そして変化への対応、という5つの観点に整理し、解説した。

 さまざまなタイプの膨大な情報をライフサイクル管理している顧客事例として、米国エネルギー省の研究機関でもあるNational Ignition Facilityが紹介された。上級技術アーキテクトのティム・フレイツィエール氏が登場し、11gの新機能を利用し、大規模データの管理を効率的に行っていることを紹介した。

 核融合の研究においては膨大なデータの処理が要求される。15ナノ秒単位で生成される画像情報をOracle Databaseに格納し、30分という時間制限の中で30Mバイト以上のサイズのデータのリードライトを繰り返し、物理学や数学の専門家に迅速に提供する仕組みを構築している。これを実現するためには、ファイルシステムよりも高速な性能が必要だったという。

 さらに、科学者にとって実験結果は重要であり、それを30年間といった長期にわたり保管しなければならない。膨大な実験結果をライフサイクル管理し、オンラインのまま物理ディスクからテープストレージへと移動させ、保管しているという。保管先を変更しても、アプリケーションを変更せずに過去の情報にアクセスできることが重要だ。フレイツィエール氏は、このような情報の管理に、11gのOracle Secure Filesが実現している性能や、自動パーティショニング機能、データ圧縮機能といったILM(Information Lifecycle Management)機能が大いに役立っている、と話した。

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