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なぜBIが内部統制に役立つのか?(1/2 ページ)

内部統制に求められる要素のほとんどにITが役に立つことは、多くの人が理解できるはずだ。では、どのようなITが内部統制各要素を的確に支援できるのだろうか。

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 金融商品取引法(いわゆる日本版SOX法)に伴って、金融庁企業会計審議会が示した内部統制フレームワークには、内部統制の構成要素が示されている。

 それによると、内部統制は基盤となる「統制環境」から「リスク評価」「統制活動」「情報と伝達」「モニタリング」、そして「ITへの対応」の6つの要素で構成されることになる。元になった米国COSO(トレッドウェイ委員会組織委員会)フレームワークに比べると、日本版では時代の変化に対応させるため「ITへの対応」が明示されていることはよく知られている。

日本版COSOキューブ
日本版COSOキューブの各要素

 このすべての要素に対してBI(ビジネスインテリジェンス)の果たす役割は大きいと指摘するのは、日本ビジネスオブジェクツプリンシパルセールスコンサルタントの平松清嗣氏だ。BIは、売上や顧客などに関する大量のデータを分析し、ビジネスに有効な情報を抽出するシステム。


平松清嗣氏日本ビジネスオブジェクツセールスコンサルティング部プリンシパルセールスコンサルタントの平松清嗣氏

 「我々はBIベンダーですが、当社のソリューションはCOSOが求める5つの要素すべてに役に立てると考えています。例えば『統制環境』については、業績管理という切り口でバランススコアカードや戦略マップなどが活用できるという具合です」

 また、財務経理においては業務プロセスの結果は数字で示されるため、BIは「モニタリング」という点でも効果を発揮する。また、それぞれの立場に応じて必要な情報を提供できる統合ポータルは「情報と伝達」に役立ち、権限に応じ必要な情報だけ日々確認できるため「統制活動」につながるというわけだ。

 「日本版SOX法への対応だけを考えるならば、財務諸表に関する部分だけですみますから、ERPの全社導入で内部統制が実現できるという言い方も成り立ちます。しかし、内部統制のフレームワーク全体を見渡せば、それだけでは足りないことに気付くはずです。特に、最上位の要素であるモニタリングを実現できるのは、やはりBIならではのことです」と、平松氏は話す。

 モニタリングは、継続的に企業活動の品質を高めていくために不可欠なものだ。PDCAサイクルを回して品質向上を図るにも、タイムリーかつ的確な現状分析がなければ意味が薄れてしまうのは言うまでもない。すなわち、BIによる企業活動の「見える化」があってこそ内部統制が成り立つ、というのが平松氏のスタンスである。

分断されたシステムのデータを統合して可視化する

 そのビジネスオブジェクツが、BIツールを使って内部統制強化を目指す企業に勧めているのが、データを統合して管理・分析するための情報基盤を構築することと、組織体制を確立することの2つだという。

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