ニュース
日本が必要とする組織設計の在り方:ORF2007 Report(2/2 ページ)
組織をどのように設計するかは、そこに属する人を常に悩ませる。「日本に求められる組織設計のイノベーション」と題したトークセッションで、イー・モバイルの千本倖生氏と慶應義塾大学の上山信一氏それぞれが、組織に対する考えを示した。
日本に合ったワーク/ライフスタイルを
セッションの後半では、日本人の働き方や生活に話が及んだ。「日本にいると、いつも後ろから追いかけられているような感覚がある。心の平穏やスローライフといったものに価値観を置いてもいいのではないか」と金子氏は切り出す。
「日本全体を競争国にしなければならないと考えないほうがいい」というのは上山氏。「日本は競争社会よりも、個々で豊かな暮らしを追求し、余裕を持って生活できる社会の方が幸せなのではないか」と述べた。「日々の生活の中に小さな幸せがあるという感覚を大切にするべき」(上山氏)
一方千本氏は、「シリコンバレーの企業に務める友人は、普段は朝6時から23時まで働いているが、一カ月まったく働かない期間を取る」といったワークスタイルを例に挙げ、「日本人は会社に長くいるが仕事の密度は低い。休みを取るときも申し訳なさそう。オンとオフを明確に切り替えて仕事をすることが必要」と述べた。「自分の人生は自分でコントロールして、ライフスタイルを強固に持とう」(千本氏)
会場では、セッションを聴講するSFCの学生も目立った。今後日本を担う世代に、「日本の若い人はもっと周到に勉強・準備し、日本だけでなく世界も見てほしい」(千本氏)、「組織はしがらみもあるが愛情を持って接してもらいたい」(上山氏)と両者それぞれのメッセージを送った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- TV番組がネット配信される日はまだ遠い!?――ORF 2007始まる
日本は、通信・放送の融合に関してイギリスや韓国に遅れをとっている。先行事例に学び、2011年のデジタル放送開始に向けて日本がとるべき道を模索する。 - 政治と技術の融合が地球に対してできること
11月22日、東京・港区の六本木アカデミーヒルズでORF2007が開幕した。メインセッションでは、元宇宙飛行士の毛利衛氏、金融・経済財政政策担当大臣を歴任してきた竹中平蔵氏らによる討論会が行われた。 - 組織の課題はパターン・ランゲージで解決――SFC井庭崇研究室
なぜプロジェクトが進まないのか、どうして組織はダメになるのか。情報共有だけではどうしようもないこれらの問題の解決に「パターン・ランゲージ」の応用を掲げるのは、「慶應義塾大学SFC Open Research Forum 2007」に登場予定の井庭崇氏だ。 - 通信と放送の融合に向けて――SFCと経団連が共同プロジェクト
2011年のアナログ放送終了に伴い、総務省は通信と放送のあり方について法改正を進めている。この新法案に対してSFCと経団連は共同研究プロジェクトを立ち上げ、新たな政策を提言する。