「IT部門は無駄飯喰らい」「CIOに戦略意識が必要は俗説」(1/3 ページ)
CIOは経営の一翼を担う、企業の経営戦略上でも非常に重要な役職だ。特に、ITがかかわる業務改革はCIOの仕事ぶりで、成否が大きく変わる。しかし、そのあり方や求められる能力は事業内容や規模、ステージによって大きく異なる。CIOの「あるべき姿」を明確に定義するのは非常に難しいところだ。
11月22日に開催された早稲田大学で開催された「ワセダCIOフォーラム」では、「会社を変える CIO」と題して2人の現職CIOを交えたパネルディスカッションが行われた。
事業部門を手助けするのがCIOの仕事――オムロン・樋口CIO
オムロン執行役員常務事業プロセス革新本部長の樋口英雄氏は、IT部門に在籍した後に、業務部門であるセンサー部門へ移って事業部長まで務め、CIOとしてIT部門に戻った。自らの役割を「いかに収益構造を改善するか」だと説明する。
業務プロセス革新として取り組んだのはSCMの改善だ。同社では「Factory Managed Inventory」を掲げ、工場が顧客に商品が届くまでの責任を負う制度を取り入れた。その上で、生産管理はもちろん商品物流、部材調達までトータルで、顧客視点を取り入れる改革を進めたという。
「当社の特徴は、ニッチ&グローバル、商品が多岐にわたるだけでなく、仕入れ先や生産拠点は日本だけでなく中国にも存在する。調達体制に関しては、一般的に行われる1対1でなく多対多の関係に変えた」
このサプライチェーンを支えるために、パッケージとオリジナルのシステムをSOA的に組み合わせた。「製造業として一般的な部分はパッケージを採用しつつ、競争力となるコア部分にはきっちりと独自のものを使う」というわけだ。
ITの構造改革には、社内の他の事業と同じくQCD(品質・コスト・納期)にKPIを設定して、それを実践するようにした。その結果、売上高に占めるITのコストは、2年前に樋口氏が着任した時点で2.4%だったのが、現在では1.7%まで下がったという。「最終的には1.5%まで下げたい」と、樋口氏。
CIOとしては「あくまでも、事業部門の『やりたい』という気持ちを大事にしている」と話す。
「ヘッドクオーター部門として、事業部門の独力でできない部分を手助けしている。我々は無駄飯喰らいと思われがちな立場だから、最初に自ら率先して可視化やスリム化を進めた。それが現場の動きを刺激し、良い関係を築ける」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
世界初、走る回転寿司店「SUSHI BUS」が2026年10月にデビュー
-
2
ビジネスもセキュリティも「数字で示すしかない」 - JERA CIO兼CISO 行徳セルソ氏
-
3
「ITmedia エグゼクティブ AX・DX eマガジン 2026 夏」(PDF)の提供開始
-
4
「海外に劣らない拠点確立を」横浜国立大学がサイバーセキュリティの研究拠点を発足へ
-
5
鉄道高架下に「大人の秘密基地」、都心の残された一等地の活用に各社も本腰
-
6
「朝活」は根性論ではない──科学的エビデンスで設計する、エグゼクティブのための朝ルーティンのススメ
-
7
Agentic AI時代、企業はいかにリスクをコントロールすべきか――メルカリのAIガバナンスとガードレール実装
-
8
「グローイング・サイクル」を回すことで組織の全員が戦力になる
-
9
「価値の安売り」から脱却する「誰に・何を・いくらで」の価格設計
-
10
第1回:到来した「自律型AI時代」
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー