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PC上で本を読むように付箋も付けられる事例 広報誌の電子ブック化サービス(1/2 ページ)

日本農業新聞は、新聞制作で培われた文章校正や画像の加工のノウハウなどを生かして、顧客のホームページ制作業務の一環として、広報誌などを電子ブック化するサービスを始めた。

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導入前の課題

農業協同組合(JA)の公式ホームページ制作・運営サービスを展開しているが、ホームページでの広報活動にさらに役立つツールを探していた。


導入後の効果

電子ブックのソリューションを活用することで、より親しみやすい広報活動を目指す顧客の意図をより具体化することに貢献できた。また、サービスメニューの1つとして、新規顧客の取り込みにも役立っている。


ホームページ運営・管理サービスを展開

 日本農業新聞は唯一の日刊農業専門紙で、2008年3月に創刊80周年を迎える。購読者は約40万人で、主に農業に従事する人たちが読者層だが、昨今の健康ブーム、食に関する関心などもあり、農業者以外の読者層も獲得しており、農家と一般消費者とのコミュニケーションを活発化するメディアの1つとして注目されている。


日本農業新聞 広報局 事業開発部 eメディアグループ 本間文宣氏

 同社はJAグループの一員であり、食と農の総合情報メディア企業として一層の飛躍を目指しているが、その一環として、JAグループ各社、団体に対するさまざまなサービス事業を展開している。その1つに、各団体が運営するホームページの制作に関するアウトソーシング事業がある。「お客様が日々更新作業をする上でのコンテンツそのもの、そしてコンテンツの品質、また、専門的な話題に対する理解度など、当社はホームページ制作の上で必要とされるものを高いレベルで取り揃えています。この点では、一般のホームページ制作会社さんとはかなり違ったアウトソーシング先としてご理解いただいています」と語るのは、広報局 事業開発部 eメディアグループの本間文宣氏だ。JAグループの一員であることと、新聞制作で培われた文章校正や画像の加工のノウハウなどをふんだんに活用できるというのも、大きな魅力となっている。

 同社では現在、約40の団体を顧客として、それぞれのホームページ運営・管理サービスを展開している。このサービスはログ解析リポートなども含まれており、より緻密で役立つサービスを目指している。

アウトソーシングサービスで新たなメディアサービスを

 このように、事業として着実に伸長しているアウトソーシングサービスだが、その根本にあるのは、顧客の広報活動をいかに支援するかということ。紙媒体の広報誌なども発行し、さらに電子メディアの即時性も利用したい、という顧客ニーズからすると、同社が果たす役割は単なる制作会社的な位置づけを超えたものといっていい。電子メディアに対して一定の距離を置いているユーザーに対しても情報提供をしていく使命を負った顧客は、効率性だけではなく、さまざまな新しい取り組みに対しても敏感だ。

 「掘り起こしていくと、いろいろなニーズが出てきます。例えば、紙媒体として制作した、広報用の冊子を電子化できないかといったことです。時間が過ぎていくと、なかなか人目につかなくなるけれど、一覧して読んでみると、今後も役に立つような情報がたくさん掲載されているものがあるわけです。これを電子メディアに載せることはできないか、そんなご要望もあります」と語るのは、eメディアグループの岩波浩太氏。同グループでは、ちょうどさらなる顧客獲得のための新しいサービスを探していたという。

 「紙媒体を電子媒体として活用するといったニーズへの対応を考えたところ、電子ブックという形が浮かんできました。ただ、再編集をしてPDFで提供するというのでは、サービスとしては新味もないですし、多くの利用者に活用していただけるという面で、疑問があったのです。電子ブックは私自身、他のサイトでの活用を見てみて、かなり使えるものだということは理解していました。まさにパソコン上で本を読むように、ページをめくって閲覧することができますから」(岩波氏)

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