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リチャージカードの安全運用――低コストのホスティング環境で事例 決済サービス企業のシステム構築(1/2 ページ)

リチャージカードシステム「repica」を企業に提供しているレピカは安定的に運用を任せられるホスティングサービスを活用、今後はCRMシステムなどとの連携も視野にいれているという。

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導入前の課題

決済システムの運用にあたり、自社では、運用に長けたエンジニアの必要数確保が困難だった。


導入後の効果

構築から運用までフルアウトソーシングにしたことで、運用コストを半分以下に抑えることができた。


何度でもチャージできるスグレもの

 リチャージカードという新しいサービスをご存じだろうか。これはお店やブランドが発行する新形態のプリペイドカードで、使ったら終わりの金券とは違い、何度でもチャージ(入金)ができる。

 リチャージという点では電子マネーに似ているが、端末のあるお店ならどこでも使える電子マネーに対し、リチャージカードは特定のお店やブランドで使う。そのため発行企業側にとっては、決済手段にとどまらず、集客や既存客囲い込みのツールとして活用ができる。

 このリチャージカードシステム「repica」を企業に提供しているのが、06年設立のレピカだ。「repica」はASPでユーザー企業に提供されるが、同社はマネージドホスティングサービスを採用してシステムを構築。運用もフルアウトソーシングで、安定した環境で顧客にサービスを提供している。


レピカ 技術部部長 増岡格氏

 ホスティングサービスを選定するにあたり、同社が重視したのはセキュリティだった。「repica」は、利用者が買い物すると、インターネット経由でセンターのサーバからカードIDと残高情報を参照し、店頭の決済端末で決済する仕組み。電子マネーはカードに残高情報が記録されるが、「repica」はサーバで残高情報を管理するため、サーバ側のセキュリティが重要になる。技術部部長の増岡格氏はこう語る。

 「利用者の残高情報に不正な操作が行われたり漏えいがあると、ギフトカードのビジネスモデルは成り立ちません。ホスティングサービスの選定は、ベンダーが情報セキュリティ認証のISMS(ISO27001)を取得していることが絶対条件。それがなければ検討のテーブルにもあげませんでした」

サーバのセキュリティが生命線

 安全性とともに、可用性も重視した。リチャージカードは発行企業しだいで24時間365日いつでも利用ができるため、どんなときもシステムの停止は許されない。運用までフルアウトソーシングで任せるには、障害の事後対応だけでなく、予防的保守に強いことも大事な条件の1つだった。

 同社はこれらの条件をクリアした4社をピックアップ。リチャージカードシステムの構築と運用を任せられるベンダーをコンペで比較検討し、2007年初頭にはインフォリスクマネージのマネージドホスティング『Utilityz』の導入を決定した。

 構築のキックオフは2007年初め。2007年春からサービスインが決まっていたため、構築の期間は1カ月強しかなかったが、ほぼスケジュール通りにシステムは完成した。

 運用を全面的に任せた結果、コスト面では大きな効果があった。24時間365日の監視が必要なシステムを自社で運用する場合、最低でも運用のスキルを持つエンジニア5名でフォーメーションを組む必要があった。

 「運用に長けたエンジニアが少ないため、まず人員を雇用することが困難です。仮に雇用ができても、5人で月150〜200万円の人件費がかかる試算。今回、フルアウトソーシングしたことで、インフラの費用も含めて、コストを半分以下に抑えることができました」

 アーリーステージの企業は、利益を直接生み出す分野にコストを使いたいもの。管理部門のコストを抑えられたことは大きなメリットだった。

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