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ニッチと高付加価値 食品販売オイシックス(前編)EC新進化論(1/2 ページ)

「EC新進化論」では、ECサイトを運営する企業のトップのインタビューを基に、ECサイトがどういった要素で成功し、生活者のライフスタイルを今後どのように変えていくのかを探る。第1回は、食品の販売で急成長しているオイシックスを取り上げる。

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 日本人の41.4%もの人が何らかのかたちでEC(電子商取引)を体験したことがある時代に突入した(総務省、平成18年「通信利用動向調査」の結果)。ECはすっかり生活の一部として根付きつつある。一方、企業においても、普及するECにどのように取り組むかは大きな経営課題となっている。今後、この分野でさまざまな企業間の競争が発生すると予想される。

 「EC新進化論」第1回は、食品の販売で急成長しているオイシックス代表取締役の高島宏平氏。同社は、「一般の家庭での豊かな食生活の実現」を企業理念に、安全な食品のインターネット通販・宅配を行っており、食品販売サイトとしては国内最大規模の「Oisix(おいしっくす)」を運営している。高島氏によると、購入経験者は29万人以上を数える。良いものを低価格で顧客視点で提供するという一貫した経営手法で、EC業界でも定評がある。

オイシックスの高島宏平代表取締役
オイシックスの高島宏平代表取締役

「食のコンシェルジュ」「食のソムリエ」を目指して創業

――早速ですが、現在の運営体制を聞かせてください。

高島 正社員は約70名、バイト120名の約190名で運営しています。そのうち80〜90名が倉庫を担当しています。オイシックスでは、できるだけ在庫を持たないようにしていますが、倉庫は400坪ほどの広さになります。巨大冷蔵庫のような感じです。

 そのほかの社員は、マーケティング・販促に10名、カスタマーサポートが7、8名、品質管理を含む商品開発の担当者が10名になります。また、ネット以外にも店舗での牛乳販売を行っており、こちらには10名ほどの社員が関わっています。

――ターゲットはどういった層になりますか?

高島 当初は小さなお子様のお母様、妊娠されている方が中心でした。最近はDINKS(Double Income No Kids:共働き収入、子供なし)と呼ばれる層をはじめ、20代の1人暮らしの女性から50歳代以上の主婦にまで広がりをみせています。特徴は女性が93%と多くを占めている点です。

 利用者層が広がっている背景には、幅広い年齢層にネットが普及しはじめたことに加え、自然食品志向の影響で年代が若い人に広がってきているということもあります。既に当社の商品の購入経験者は29万人ほどに拡大していますし、毎週または隔週という頻度で、定期的に購入するアクティブなユーザーは、2万6000人ほどになっています。

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