会津若松市が庁内のPCにOpenOffice.orgを導入、840台を入れ替え:進むOOoの採用
地方自治体で進むOpenOffice.orgの採用に新たな動きがあった。経費削減などを狙い会津若松市がOpenOffice.orgを導入する。840台のPCのソフトウェアを入れ替える予定という。
会津若松市は5月28日、庁内の情報システムのオープン化と経費削減を目指し、オープンソースのオフィスソフトウェア「OpenOffice.org」を全庁で導入し、活用を進めると発表した。福島県内の自治体でOpenOffice.orgの本格的な導入は初めてという。
庁内のPCで利用するワープロや表計算などのオフィスソフトウェアとして、OpenOffice.orgを導入する。PCの更新に伴い、標準的に導入していたMicrosoft Officeを順次切り替えていく。「2012年度に合計840台のPCにOpenOffice.orgを導入する予定」(会津若松市総務部情報政策課の渡辺直人情報政策課長)で、事務処理用PCの経費を5年間で1500万円削減できる見込みだ。
OpenOffice.org採用の理由は、特定の文書形式に依存しない国際標準の文書フォーマット「ODF形式」に対応しており、文書の長期保存ができることだった。文書形式を標準化することで、市民に配布する文書や市民から受け取る文書の種類が増え、利便性が向上するという。
渡辺氏はOpenOffice.org採用の背景について、「財政的に厳しく削減が求められていた。またPCに導入しているオフィスソフトウェアのバージョンがばらつきが生じていたため、PCによって古い文書を開けないといった問題もあった。それらを解消し、文書の長期保存を実現するために2007年から導入を検討していた」と話している。OpenOffice.orgは、既に北海道伊達市、栃木県二宮町、沖縄県浦添市、高知県四万十町、兵庫県洲本市などで導入が進んでいる。
ソフトウェアの入れ替えは2008年の秋に開始する。職員への操作研修も順次進めていくという。
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