コラム
IT部門は経営者の期待を背負って何をするべきか:Gartner Column(4/4 ページ)
ガートナー エグゼクティブ プログラム (EXP)エグゼクティブ パートナーを務める小西一有氏のコラムの2回目。経営者からIT部門へ向けた前回とは反対に、CIO/IT部門が経営者の期待を受けてするべきことについて話す。
エンタープライズケーパビリティ部門――IT部門のプロフェッショナルが結集する将来の組織
IS組織の将来という議題は、憶測と論争を呼びますが、より高いパフォーマンスと新たなケーパビリティによって生み出されるエンタープライズレバレッジに対する企業の期待が高まっていることから、現在IT部門に属するプロフェッショナルのための将来の組織形態を提案することができます。現在、IT部門に属するプロフェッショナルは、将来的にエンタープライズケーパビリティ(企業力)の進化に注力する新たな組織の一部となることが考えられます。
このような組織の目標は、新たなケーパビリティを提供することです。そのためには、以下を達成するための管理されたプロセスに基づく包括的なソリューションを活用することになります。
- ビジネスプロセス、情報、情報テクノロジー、ワークフォース(従業員)のコンピテンシ(能力)を統合する新たなケーパビリティを育成する。
- 既存のケーパビリティのパフォーマンスを高め、段階的な変化に対応できるようにチェンジマネジメント(変更管理)の能力を提供する。
- 改善と企業変革の両方を促進する活動を構成し導入する。
ビジネス戦略を達成するために必要な方策を組織全体に提供するために全社的な取り組みを先導し実行することが組織の任務となります(図5)。
著者プロフィール:小西一有 ガートナー エグゼクティブ プログラム (EXP)エグゼクティブ パートナー
2006年にガートナー ジャパン入社。それ以前は企業のシステム企画部門で情報システム戦略の企画立案、予算策定、プロジェクト・マネジメントを担当。大規模なシステム投資に端を発する業務改革プロジェクトにマネジメントの一員として参画した。ガートナーでは、CIO向けのメンバーシップ事業「エグゼクティブ・プログラム(EXP)」の日本の責任者を務める。日本のCIOは、経験値だけでなく、最新のグローバル標準を研究した上で市場競争力を高めるべきとの持論を持つ。
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