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リーダーを育てる「4つの質問」問われるコーチング力(1/2 ページ)

どのように目標を達成すべきかについて、リーダーは常に自問自答する必要がある。今回は効果的なセルフコーチングの方法を教える。

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 米国の44代大統領にバラック・オバマ氏が選出された。白人男性ではない大統領が誕生するのは初めてである。世界的な大不況を迎える中で厳しい船出となった。その手腕は未知数だが、果敢に取り組んでほしいと願う。

 彼が2年前に立候補したときには、経験も浅く厳しいという見方が大半だった。しかし、彼は自身のゴールを設定し、戦略を練り、それに対していろいろな人を巻き込むと同時に、「Change(変革)」というメッセージを掲げた。その結果、民主党の候補に選ばれ、大統領戦にも勝利した。リーダーにとって、目標達成に向けてこうしたプロセスを踏むことはとても大切なことである。

 今回は、ゴールを設定しそれを達成する上で役立つテクニック――「4つの質問」を教えしたい。それは次のとおりである。

(1) うまくいったことは何か?

(2) うまくいかなかったことは何か?

(3) うまくいかなかった原因は何か?

(4) 次の一手は何か?


 この4つの質問を自分自身に問うことで、立ち止まって自分を振り返ることができる。一週間に1度これについて書き出すことで、セルフコーチングができるほか、ゴールを設定してそれを達成できるようになる。ゴールの達成については、リーダー自身が活用する方法と、チームで活用する方法がある。今回は前者について解説する。

物事をポジティブにとらえる

 まずは、それぞれの質問のついて簡単に説明する。

うまくいったことは何か?

 自分がこの一週間でうまくいったことを書き出す。多くの人は物事をネガティブに考えがちである。例えば、自分の成功話を口にすると「ホラを吹いている」、「自慢をしている」などと思われるのが嫌だという人もいる。

 しかし、それは違う。成功する人はポジティブであり、自分自身のよくできたことや成功したことをしっかりと評価できるのである。自分にはこんな夢がある、こんな目標があると語るのを冷ややかに見る人もいるだろう。夢や目標があり、成功すると信じて努力を続けるからこそ、エネルギーがわき知恵も出てくる。

 最初に「うまくいったことは何か?」と聞くことで、ポジティブに物事をとらえられる。ゴールを達成するためにとても大切なことである。


うまくいかなかったことは何か?

 この質問は、自身の問題点や課題を把握するためのものである。問題点を正確につかむことさえできれば、その解決に至るのはそれほど難しくはない。注意するのは次の2点である。

1. ゴールを意識し、ゴールを達成するために、何がどの程度足りないかを具体的に書く

2. 自分ではなく、組織を意識して書く


 わたしが企業で研修やセミナーをしているとき、「自分はしっかりと仕事をしていて、うまくいかなかったことは何もない」という言葉を耳にすることがある。うまくいかなかったことがないという人は確かにいるだろうが、ほんの一握りの人だと思う。

 そうした発言をする人は、自身のゴールが明確でなく、問題点が何かを把握できていないはずだ。自分が考えるゴールに沿って何が足りないのかと考えれば、問題点はおのずと見えてくるはずである。

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