ユーザー企業の過半数が「特定ITベンダーと優先関係ある」と回答――本音は「複数ベンダーを公平に扱いたい」:企業のITへの取り組み調査2008
NTTデータ経営研究所の調査によると、システム構築には「事業系はスクラッチ、管理系はパッケージ」という傾向がみられる。ITベンダーとの関係については、過半数の企業が特定ベンダーとの「優先関係がある」と回答する一方、約25%の企業が「複数ベンダーを公平に扱いたい」という希望を持つことが明らかになった。
NTTデータ経営研究所は12月18日、国内主要企業を対象に実施した「企業のITへの取り組み調査2008」の結果を明らかにした。本調査は「システム構築方針・方式」、「自社でのIT検討・推進状況」、「IT事業者との関係性」の各視点から、IT(ICT)への取り組み状況を調査したもの。国内企業におけるIT整備の現状を捉えるとともに、今後のIT伸展の方向性や、企業とIT事業者との関係性のあり方を探ることが目的だという。
調査対象は国内の主要企業4463社。情報システム関連を除く上場企業および、資本金1億円以上かつ従業員数300人以上の未上場企業となっている。回答者の属性は「システムに関する最終意思決定者(CIO相当を想定)」であり、選択および記述式のアンケートで実施された。調査期間は2008年9月1日から9月30日で、有効回答者数は235(回収率は5.3%)。
「システム構築方針・方式」についての主な調査結果としては、事業系システムではスクラッチ方式を選択する企業が多く、その理由としては「汎用化の難しさ」が多く挙げられた。一方、管理系システムは、パッケージ活用を選択する企業が大多数で、その理由は「コスト等の制約」と「ベストプラクティスの活用」の2つが目立った。


また「自社でのIT検討・推進状況」では、システム構築の上流部分ほど、自社内で取り組む傾向が強く、システム設計・構築はシステム子会社やIT事業者に委託する企業が多いことが分かった。なおシステム区分では、管理系より事業系で、自社取り組みの割合が高くなっている。
「IT事業者との関係性」については“現在はIT事業者と優先的あるいは協力的関係を持っている”と回答した企業が過半を占めている。その一方、全体の約4分の1の企業が“今後は複数ベンダーを公平に扱いたい“との意向を持つようだ。


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