住友信託銀行、63営業店舗の業務システムを強化 SOAやAdobe AIRを積極活用
住友信託銀行は、国内63カ所の営業店舗における業務を統合管理できるシステムを稼働させた。管理機能を強化することで、コンサルティング営業に専念できる環境の整備を目指す。
住友信託銀行は、顧客情報を一元把握できる「営業店統合フロントシステム i-Ships」の稼働を1月に開始した。国内63カ所の営業店舗における業務システムの機能を統合して管理を強化することで、営業活動と事務作業との分断、業務フローを改善し、コンサルティング営業に専念できる環境の整備を目指す。システムの構築を支援したNECが1月23日に発表した。
i-Shipsは、顧客データベース、勘定系システム、投資信託などの業務システムの機能を統合して利用できる。i-Shipsの画面上で生年月日や職業、家族構成といった顧客属性、預金/運用/ローン残高などを確認しながら、顧客ごとにサービスを提案できる。
操作画面の開発には、アドビ システムズのWebアプリケーション開発/実行環境「Adobe Flex」や「Adobe AIR(Adobe Integrated Runtime)」を使っている。約4000台の業務端末において、キー操作の反応速度の向上や、勘定系端末に接続している専用の周辺機器との連携を実現させた。
i-Shipsを稼働するシステム基盤は、NECのブレードサーバ「SIGMABLADE」約40台、ストレージ「iStorage」3台で構築。OSにはLinuxを採用し、サービスや商品、処理データの増加にも対応できるシステム構成を取った。SOA(サービス指向アーキテクチャ)も取り入れ、業務アプリケーションを柔軟に追加/連携できるようにした。
併せて、事業継続基盤(バックアップサイト)も構築した。本番環境と災害対策環境間のデータ転送には、ストレージの「セミ同期順序保障モード」という機能を使う。データを取得する頻度や、情報システムの停止からサービスが復旧するまでの時間の短縮に成功したという。
住友信託銀行は、営業店舗で使うシステムの機能を集約することで、コンサルティング営業に専念できる体制を整備していくという。
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