ユニ・チャーム、メールシステムをGmailに移行 :Google Appsのアカウントを3500取得
紙オムツ最大手のユニ・チャームは、社内で利用する電子メールのシステムをWebメール「Gmail」に移行した。海外事業の展開を見越して、社内のメールシステムを統一でき、拠点の増加に伴う設備投資にも柔軟に対応できる点を評価した。
紙オムツ最大手のユニ・チャームは、社内で利用する電子メールのシステムをWebメール「Gmail」に移行し、1月より稼働を開始している。メールシステムの構築に当たり、Webメールや文書作成、表計算などの機能で構成するGoogleの企業向けWebアプリケーションサービス「Google Apps Premier Edition」を採用し、独自のシングルサインオン(認証連携)環境を整備した。シングルサインオン機能の実装を支援したシステムインテグレーターのインターナショナルシステムリサーチ(ISR)が1月28日に発表した。
ユニ・チャームはGoogle Apps Premier Editionのアカウントを3500取得し、1アカウント当たり25Gバイトのストレージを付与したGmailを、社内の電子メールシステムとして使う。同サービスへのログインには、Google Appsへの認証接続を行うISRのASP(ソフトウェアの期間貸し)サービス「Cloud Gate SSO」を活用。Google AppsにアクセスするIPアドレスを制限し、パスワードの強度や有効期限を設定できるようにして、セキュリティを高めた。
組織の所属部署名などからメールアドレスを検索し、送り先に指定できるようにするなど、アドレス帳の機能を独自に実装した。従来Google Appsが標準搭載しているアドレス帳の機能は、単純な検索やグループ分けといった基本的なもののみ。電子メールの作成画面から開くアドレス帳では、連絡先が一覧で表示されるため、所属する組織からの検索ができなかった。
海外事業の展開に力を入れるユニ・チャームでは、社内のメールシステムの統一を目指していた。システムの検証に1年を費やし、多言語に対応している点、インターネット経由でメールシステムの機能を利用でき、自社で専用のサーバを運用しないで済む点を評価して、Google Apps Premier Editionの採用を決めた。
Google Apps Premier Editionでは電子メールのデータ増にも対応できる。1人の利用者ごとに年額で申し込みができるため、メールシステムに掛かるコストの予測が可能で、拠点の増加に伴う設備投資にも対応できることも評価した。
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