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【第14回】あなたは本田宗一郎の補佐役になれるのか?ミドルが経営を変える(1/2 ページ)

若手社員や上司とのコミュニケーションに悩むビジネスマンは少なくない。たとえ相手が立派な経営者であっても、思い切り意見をぶつけ合うことがあなたにはできるだろうか。

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 新年会の席でのことである。昨夏から続くある社外研修に参加しているビジネスマンと筆者を含めた講師陣、合計十余名での会だった。研修参加者の企業はさまざまだが、年末にはプレ忘年会、そして本番の忘年会までもこなした面子であり、この新年会も実に打ち解けた楽しいものだった。

 この手の宴席では真っ赤な顔をしつつ、真面目な話で時間が過ぎていくことも少なくない。数時間前まで熱心に勉強、議論をし、互いの所属する企業の事情を垣間見ている故である。

 筆者がいた席では、「部内で若手とのコミュニケーションがうまくいかない」という悩みをこぼしている人がいた。大阪に本社を置く大手企業から派遣された、いわゆる「バブル入社組」のミドルの方だった。業界を超えて同じような悩みを抱えているミドルは多く、焼酎片手に皆「どうしたものか」と簡単に答えの出ない話が続くこととなった。

意見をぶつけ合える関係

 その方曰く「わたしが若いころには、上司によく麻雀に誘ってもらい、麻雀を打ちながら部署内での仕事のことや会社全体の経営のことについて、自分自身あるいは若手が考えていることを伝えたものですが……」とのことだった。「その上司は耳の痛い意見を含めて、現場の若手が思っていることをそうした場で集めていたようです。わたし自身も耳の痛いことを言うのが自分の仕事だと思って遠慮なく意見をぶつけていました」と続けた。

 この上司は本社で上級の役員となり、退任後も東京に本社を構える子会社の社長に着任したとのことだった。そのミドルの方は現在でも元上司に会うたびに「モノ申す」ことを実行しているとのことだった。

名経営者の脇に補佐役あり

 リーダーシップにかかわる学問的な議論の中ではあまり注目はされてこなかったが、実現場において非常に重要なのがリーダーを補佐するもの、補佐役の存在である。ナンバー2、女房役、番頭など呼び方はさまざまだが、名経営者の脇にはこうした存在があるのは珍しいことではなかった。その代表格は、松下電器産業(現・パナソニック)元副会長の高橋荒太郎、本田技研工業元副社長の藤沢武夫だろう。もちろんトップ経営者だけでなく、部署や課の責任者のそばにもサポートする人材は必要だ。

補佐役に求められる機能は以下である*1

<strong>図1</strong> 補佐役の機能
図1 補佐役の機能

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