データマートの統合で難局に立ち向かう米先進企業、Teradataはクラウド戦略も明らかに:Teradata PARTNERS 2009 Report(3/3 ページ)
「Teradata PARTNERS 2009」がワシントンD.C.で幕を開けた。ユーザーグループ主催にふさわしく、早朝から企業向けアワードの授与式が行われたほか、オープニングセッションの主役もレンタカー最大手のEnterpriseでデータウェアハウスのリードアーキテクトを務めているボルマー運営委員長だった。
Teradataはこの日、そんなアクティブ・データウェアハウスのパフォーマンスを劇的に高めるためのアプライアンス、「Teradata Extreme Performance Appliance 4555」も発表している。
9月半ば、OracleがフラッシュメモリベースのSSD(Solid State Drive)をキャッシュとして搭載し、OLTPの処理性能を飛躍的に高めたSun Oracle Exadata V2を発表して話題となったばかりだが、こちらもSSDを採用した初のアナリティクス(分析)アプライアンスという触れ込みだ。現行の約10倍もの分析性能を発揮し、現場のユーザーの日常業務をリアルタイムで支援できるようになるという。
Extreme Performance Appliance 4555の価格は未定、出荷は2010年第1四半期を予定している。
狂想曲? Teradataもクラウド戦略を明らかに
クラウドコンピューティングのバンドワゴンに乗り遅れまいと、Teradataもクラウド戦略を初めて明らかにした。「クラウド狂想曲」で騒がしい業界だが、Teradataが新たにPARTNERSで発表した「Teradata Enterprise Analytics Cloud」構想は、既存のビジネスユーザーや開発者らに意義あるものとなりそうだ。
同構想の下で今回発表された具体的なオファリングは、いわゆるプライベートクラウドとパブリッククラウドに大別できる。
プライベートクラウド向けの「Teradata Agile Analytics Cloud」は、ビジネスユーザーがTeradataシステム内にデータマートを簡単に構築できるものだ。本番システムのデータを直接共有するため、データを移動して別のコピーを持つ必要もない。Teradata Agile Analytics Cloudを実現する具体的なツールである「Teradata Elastic Mart Builder」が、Teradata Developer Exchangeを介して無償提供されるという。
一方、「Teradata Express on Amazon EC2」は、いわゆるパブリッククラウドのためのオファリングだ。同社が開発者向けや評価用に用意している無償ライセンス、Teradata Expressを、パブリッククラウドサービスとして人気のAmazon Elastic Compute Cloud(EC2)の上で利用できるようにしたもの。プロセッサが4コア、ストレージも1Tバイトまでであれば、Teradataのライセンスは無償だ。
Teradataで開発を統括するスコット・ナウ氏は、「クラウドへの参入は、すべての分析ニーズに応えるためだ。新たな選択肢の提供であり、われわれのプラットフォームファミリーの拡張でもある」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 日本テラデータ、短期間でDWHを構築できるパッケージ製品を発売
- 連載:顧客データ活用のABC
- 十六銀行、顧客管理とCTIのDBを統合――バッチによる利用制限を撤廃
- Teradata Universe Tokyo 2009:今こそエンタープライズDWHで競争優位を勝ち取れ
- SASと日本テラデータが協業、金融・小売業者に共同提案
- セブン銀行、新会計システムでATMの損益把握 5億件のデータを分析
- 三井住友銀行の新CRMシステム、住宅地図活用で訪問回数が倍増
- コカ・コーラウエストの成長を支える自販機支援システム
- eBayが5ペタバイトのDWH構築、Teradataユーザー会で各社が「知識」を共有
- 連載:CRMチャネルの威力を活性化せよ
- 西日本鉄道のICカード、「利用者と店舗の満足度を追求する」――nimocaの戦略とは?