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大前研一の辛口ニッポン応援談(後編)世界で勝つ 強い日本企業のつくり方(4/5 ページ)

日本の教育を改革する際の方法は2つ。「スーパースパルタ」の韓国方式と徹底的に考える力を養う北欧方式だ。

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 日本は答えを教えちゃう。義務教育で教えることは今や携帯電話で検索したらすべて答えが出てくる。そんなものに教育のすべてを費やしている日本がこれから世界で通用する人間をつくれるわけない。

 かつての日本は今の韓国。そしてこの10年位の北欧と、まったく違うやり方で両方とも結果が残せているのが不思議だね。ただ今の日本はどっちつかず。今の先生と文科省をみると北欧型は無理、教えられる教師がいない。じゃ韓国に戻るかというとそれも無理な話だ。少子高齢化は放っておくと甘くなるんだ。大学の収容人員が子どもの数より多くなるから今や広き門だからね。

 民主党は自民党の置き土産であった教員免許の10年ごとの見直し法案を廃案とし、代わって教員免許を取るには大学院までの6年とする方向を打ち出している。いまの教育のやり方なら何年勉強しても優れた教師は出てこない。答えのない世界で生徒達を指導する、という教育手法そのものを考える人々が必要になるが、日本ではそうしたことを研究している人々が極端に少ない。

 各科目の勉強をするのではなく、教育とはそもそもどのようなカリキュラムをどのような順序で展開していったときに一番効果が大きくなるのか、といった新しい研究分野をこれからつくっていかなくてはならない。6年か4年か、という議論はそのあとでいいのだ。6年制を議論すること自体、そもそもポイントがずれているとしか言いようがない。

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