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「銀座一等地」に背を向けた経営をしていませんか経営者がゼロから分かるコンピュータ(2/2 ページ)

「リアル店舗での販売とインターネットビジネスは別のもの」「うちの会社はITを使うような先端企業ではない」などと言っていると、時代の流れに置いて行かれてしまいます。

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インターネットを軽んずる者は銀座一等地の店舗を放置しているのと同じ

 リアル店舗の世界では、まず立地が集客の要となります。ただし、立地の良い場所はコストもかかりますので、どこで妥協するかがポイントです。しかしインターネットの世界では、ワンクリックで世界中のWebサイトを訪れることが可能です。つまり、自社のWebサイトに誘導する方法が整えば、銀座一等地をはるかに超える消費者が来店することも夢ではありません。

 もちろん誘導する仕組み次第では、優良な顧客を厳選することも可能です。いずれにせよ、戦略を考えることによって、リアル店舗のような物理的制約を全く受けることなくビジネスをするチャンスがあるのです。さらに最近では、格安でインターネット環境を提供するクラウドコンピューティングが普及しつつあり、さらにビジネスチャンスが拡大しています。

 しかし、実態はどうでしょう。インターネットは、リアルと全く同じ次元に存在するビジネス領域なのに、多くの企業経営者が「ITは分からない」と言って直視しようとしません。立地、集客、店舗の店員の教育、マーチャンダイジング、カタゴリーマネジメント、リアル店舗で考えなければいけない全てのノウハウは、インターネットの世界でも生かされます。顧客を知り、顧客の求めるものを提供する姿勢は、インターネットでも変わらないのです。

経営者のインターネットに対する課題

 企業のWebサイトは企業の「顔」である店舗そのものです。Webサイトに盛り込む内容は、営業担当者であったり、サポートスタッフであったり、顧客のイメージを高めるために重要な要素です。企業の顔である店舗をデザインし、構築するスタッフを外部に任せきりにしていないでしょうか。Webサイトの構築を外部に委託し、得られた貴重なデータを放置するのでは、サイトを訪れた顧客に失礼だという言い方もできます。リアルでの常識をインターネットの世界だからといって無視するのは理にかなっているとはいえません。

 企業Webサイトは、顧客に伝えたい内容を企業がコントロールできる唯一の「場」です。経営者の皆さまはまず、Webサイトの向こう側に顧客がいることを想像し、いま一度、自分のインターネットへの姿勢を見直してみてはいかがでしょうか。

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著者プロフィール:松永 エリック・匡史

エリック 松永

野村総合研究所 情報・通信コンサルティング部 上級コンサルタント。Berklee College of Music、青山学院大学院国際政治経済学研究科修士課程修了。ビジネス・コンサルタント。米国通信会社AT&T及びAT&T Solutionsにてコンサルタントとしてのキャリアをスタート。その後グローバル・コンサルティングファームであるアクセンチュアの先端テクノロジーGシニアマネジャーとしてグローバルレベルでのIT最新技術を駆使したコンサルティング及び、メディア&エンターテイメントグループの立ち上げメンバーとして最新ITを駆使したインターネット時代の新たなメディアやエンターテイメント業界の戦略コンサルティング領域を開拓。現在は、野村総合研究所情報・通信コンサルティング部にて、通信・ハイテク事業者向けの戦略コンサルティングをベースに映画、音楽、放送、ゲーム×IT×通信と幅広い分野におけるコンサルティング領域にて活躍する。twitterIDはEricMatsunaga。


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