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Twitter活用の鍵――「顧客の心をつかみたいなら顧客先に行くべし」(1/4 ページ)

Twitterに代表されるソーシャルメディアが社会に強い影響を与える昨今、企業の「顧客重視」が問われるようになってきている。企業が本当に顧客の心をつかむためには、何が求められているのだろうか。

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 既に「良い物を作っていれば売れる」という時代でないことは、B2Bビジネスを手掛ける多くの企業が身をもって知っている。顧客の心をつかむことが常に課題となっている。この顧客を取り巻く環境が、いままさに変わりつつある。

 「経営が損益計算書(PL)志向から貸借対照表(BS)志向へと変わってきたのと同じように、近年では企業と顧客との接し方、姿勢あるいはスタンスが変わりつつあるのではないだろうか。「Spray and Pray」すなわちバラ撒いて祈る、という戦略からは脱すべき」と、本荘事務所代表で多摩大学客員教授の本荘修二氏は語る。

顧客を中心としたエコシステムに目を向けるべき


本荘事務所代表で多摩大学客員教授の本荘修二氏

 新たな顧客接点の鍵を握るのは、ユーザー自身が作り上げるインターネット上のコミュニティー、すなわちソーシャルWebだ。もし顧客への対応を誤れば、企業はユーザーコミュニティーから攻撃を受け、ネット発の不買運動が広がるなどして、時に大きな損害を被ることもある。顧客同士を結び付けることのできるソーシャルWebの存在は、顧客と企業の関係を大きく変えた。このソーシャルWebの存在を前提として、これからの企業は、顧客に対して、これまで以上に正直に、真摯に接していくことが求められているといえよう。

 もちろん、ソーシャルWebは企業にとってマイナスの存在ではない。逆にソーシャルWebを上手に取り入れ、活用していくことで、顧客を味方に引き入れ、成果を挙げている例もある。本荘氏は、「コンシューマー(あるいはカスタマー)・エコシステムの構築」そして「そしてパートナーエコシステムの構築」が鍵になると説明している。ソーシャルWebをはじめ多彩なチャネルを通じて、顧客を主役とした継続的なリレーションシップを確立していくというのである。

 「旧来のマスメディアを使ったマスマーケティングからCRM、さらにはネット化社会へと、デジタルネットワークの発達が企業のマーケティング構造を変化させていく。一言で表すと、デジタルネットワーク革命がもたらすのは『対話の時代』ということになる」(本荘氏)

 ネット化社会の中で企業ができることとは何だろうか。ソーシャルWebなどの機能を活用することで、例えば消費者の理解、消費者への直接情報発信、消費者との直接対話といったダイレクトなコミュニケーションが可能になる。また、消費者どうしのコミュニケーション支援といった機能も、企業がソーシャルWebを通じて提供することが可能だ。こうした活動を通じて、消費者が困っていたり不満に思ったりしていることを解消していくことが、企業と顧客との距離感を縮め、長期的な顧客資産を作り上げていくことに役立つ。

 「著書『エコシステム・マーケティング』にも記したが、顧客を取り巻く環境をみると自社のみならず関係会社や競合他社などの市場全体に及ぶ相互に複雑な関係があり、そのエコシステムに目を向け、積極的にアプローチしていかなくてはいけない。リスクマネジメントのような広報活動からも脱却すべき」と本荘氏は言う。

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