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組織外の情報こそ必要なのに内部情報にこだわる経営者:生き残れない経営(2/4 ページ)
某中堅企業から「いかに顧客を創造して行くか」をテーマにコンサルティングを依頼され、社内意見の聴取を行ったとき、多くの管理者が意外な不満を口にした。
週報が好ましくない最も基本的なことは、それが「内部情報」だからである。仮に外部情報であっても、「内部のフィルターに掛った外部情報」だからだ。
かのP.F.ドラッカーは、「日本の経営者もしくは経営幹部に必要とされているものは何でしょうか」と問われ、こう応えた。
「第一に情報リテラート(情報を自由にこなせる人)になることだ。今日では、ほとんどの経営者がコンピュータ・リテラートになった。しかし、コンピュータが出してくるものは、データにすぎない。そのほとんどは、組織の内部のことについてのデータである。それらのデータを情報にまで高めなければならない。経営者にとって必要な情報とは、組織の外のことについての情報、つまり、市場、顧客、非顧客(ノンカスタマー:自社の顧客になっていない人たち)についての情報だ。技術や社会、経済の変化についての情報である。情報リテラートになることこそ、今日、あらゆる国のあらゆる産業の経営者にとって飛びぬけて重要な課題なのだ。」と主張する(「週刊ダイヤモンド」2001.3.3.号の対談)。
内部情報を重点的に渇望する経営者は、とうの昔から必要とされない。
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