ソーシャル! ソーシャル! ソーシャル! Lotus Notesは20年前からソーシャルだった!?:Lotusphere 2011 Orlando Report(2/3 ページ)
Lotusphere 2011 Orlandoの最大かつ唯一のテーマは「ソーシャル」だ。オープニングには、ケミカル最大手のBASFをはじめ、名立たる企業が登場し、ソーシャルを活用してビジネスや働き方を変革している事例を紹介した。
BASFでテクノロジーとアーキテクチャーを担当するファリード・モハマド副社長は、ソーシャルソフトウェアやモバイルデバイスがこれまでになく迅速な顧客対応を可能にしているとした。
「中国の農業事業者から相談があり、米国の研究員を交えたビデオ会議でブラジルの専門家が解決策を見つけ、インドに製造拠点がある農薬が必要だと分かったら、今度はロジスティックスについて香港の専門家が加わるなどして、迅速に対応することができた」とモハマド氏。
これまでLotusではこうした機能の多くを「コラボレーション」と呼んできたが、Notes/Dominoの開発責任者として日本の顧客らにもよく知られているケビン・キャバナー副社長は、「Lotus Notesは20年前からソーシャルだった。ようやく時代が追いついたのだ」と意に介さない。
ソーシャルソフトウェアの活用を「ビジネスモデルのひとつ」とまで話すのは、買収によって中欧や東欧で積極的に事業を拡大するKBCでビジネスアナリストを務めるヘールト・ティルボルフス氏だ。
「マーケットシェアを買収する時代は終わった。買収した各国の金融サービス会社で働く専門家たちには一日も早くコミュニティーの一員として加わってもらい、現地のニーズを満たす新しい金融商品の開発に力を発揮してもらう必要がある」(ティルボルフス氏)
こうした個人や組織の生産性を向上させるソリューションと同様、IBM Lotusでは優れたWebエクスペリエンスを通じて顧客との関係強化を図るソリューションにも力を入れている。多くの企業では、これまで顧客向けのWebサイトは社内向けとは別に開発・運用・保守されてきたが、社内、パートナー、顧客にわたって「ソーシャル」を軸にした関係強化を図ろうというのがLotusの提案だ。社内で優れたワーク・エクスペリエンスを実現する「Project Vulcan」と、パートナーや顧客とは優れたWebエクスペリエンスを実現する「Project Northstar」が、いわばソーシャルの両輪となる。
同じ金融だがカナダのRoyal Bank of Canadaでデジタル戦略とエクスペリエンスを担当するジェームズ・マクガイア副社長は、顧客満足度を高めるため、オンラインチャネルにおける顧客の体験を重視し、ソーシャルやモバイル機能を組み込むなど、その改善に取り組んでいるとした。
IBMでは昨年秋、Project Northstarのコンセプトを「IBM Customer Experience Suite」で一部が具現化し始めている。
モバイル対応など盛りだくさんの発表
企業におけるソーシャルソフトウェアの導入と活用を後押しすべく、IBMは盛りだくさんの発表を今回のLotusphereで行っているが、その筆頭に挙げられるのが広範なモバイルデバイスへの対応だろう。IDCの予測では、2013年にはモバイルワーカーは11億9000万人に達すると見られており、企業にとっては彼らとどうコラボレーションするかが課題となってくるからだ。
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