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優れたリーダーはいかにして周りの人間の能力を高めるか海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点(1/3 ページ)

高い知能は、少数の人間だけが持っているものだと思っていませんか? 会議に出席した時、過去に貢献した人の話だけ聞いていませんか? 「はい」と答えた人は周りの人の可能性を閉ざしている可能性があります。ではいかにして可能性を引き出すのか。

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エグゼクティブブックサマリー

 この記事は、洋書配信サービス「エグゼクティブブックサマリー」から記事提供を受け、抜粋を掲載したものです。サービスを運営するストラテジィエレメントのコンサルタント、鬼塚俊宏氏が中心となり、独自の視点で解説します。

3分で分かる「マルチプライヤー」の要点

  • 経営者は従業員の成長を高めることも制限することもできる
  • 「ディミニッシャー」は周りの人間の可能性を閉ざしてしまう。そして、自分の会社の長期的可能性を小さくしてしまう
  • 「マルチプライヤー」は従業員から無限の生産力を引き出すことができる
  • 「タレントマグネット」は最も優れた従業員を引き付け、成長させる
  • 「解放者」は間違いを犯しそこから学ぶ余地を作り出す
  • 「チャレンジャー」は最大限のチャンスを追い求めるようグループを鼓舞する
  • 「ディベートメーカー」はディベートの場を設け、たくさんの意見を広め、グループが最終決断によりたくさん貢献することを可能にする
  • 「投資家」は部下にプロジェクトの指揮権と成長の機会を与える
  • マルチプライヤーになるには、得意とすることを磨き、最も弱い部分を取り除き、じっくりとしかし確実にコア・コンピテンシーを積み重ねること

この要約書から学べること

  • 「マルチプライヤー」と「ディミニッシャー」の違いとその重要性とは?
  • マルチプライヤーの5つの規律について
  • マルチプライヤーになる方法

本書の推薦コメント

 誰もが一緒に仕事をしている人(または暮らしている人)からより多くのものを引き出したいと思っています。リズ・ワイスマンとグレグ・マキューンは本書を通じて、従業員を自身が思っている以上に成長させる上で役立つ方法を提供しています。そして、それと同時に従業員の成長を妨げ、なりたい自分になれなくなってしまう道も教えてくれています。

 キャロル・ドゥエックや多重知能の第一人者ダニエル・ゴールマンなどを始めとするさまざまな著者の研究に支えられ、本書はあらゆる場面で読者の意欲をかき立て、仕事や生活に大きな価値を与えてくれるでしょう。

 経営者、そしてリーダーの役割とは何でしょうか?

 それは、企業利益を常に最優先に考え、会社を安定的に経営することです。さらに社員や、株主を守り、会社を継続的に成長させることであることは間違いありません。

 小さな会社であれば、経営者も現場の仕事をすることもあるでしょうし、大きな会社であれば、現場の仕事ではなく会社経営全体について掌握し、運営のかじ取りをすることが主になります。

 そのためには、社員全員が同じ目標を意識して足並みをそろえて行かねばなりません。そういう意識付けをして、モチベーションを高めることも経営者であり、リーダーの役割であり、姿勢だと思います。

 今、世の中には、モチベーションアップや自己啓発についてのセミナーや書籍が溢れています。ただ、それらのほとんどが、技術的な事ばかりで、そのメリットや、考え方について語られている事は意外と少ないように思えます。

 本著では、もちろん社員のモチベーションを上げるための技術についても語られていますが、何故それが必要なのか? また本当にそれができる人間「マルチプライヤー」としての活動ができているかといった事を客観的に判断できるようになっています。

 いま、あなたは「マルチプライヤー」でしょうか? 本書でそれを確認して、「マルチプライヤー」として活躍をしていきましょう。

マルチプライヤーの影響力

 もし一緒に仕事をしてきたリーダーが「ディミニッシャー」である場合、あなたはそのことに気が付いているはずです。会議を開くと、ディミニッシャーが光り輝き、周りの人はぼやけてしまうからです。この手のリーダーシップはチームにとって良くないだけでなく、組織全体にとっても悪影響です。

 反対に、リーダーが「マルチプライヤー」である場合、彼らは部下の能力を飛躍的に高め、個人やグループの知能を向上させることができます。そして、その結果、生産性が増し革新が促進されます。

 研究によると、マルチプライヤーは従業員からより多くの努力、エネルギーそして成果を引き出すことが分かっています。彼らは優秀な人間を採用するだけでなく、優秀な人間の能力を引き出します。

 さらに、マルチプライヤーである経営者は従業員をさらに成長させ、新しい企業論理を促します。つまり、従業員の能力を最大限発揮させ、これ以上リソースに投資する必要をなくすのです。

 高い知能は、少数の人間だけが持っているものだと思っていませんか? 会議に出席した時、過去に貢献した人の話だけ聞いていませんか? 「いいえ」と答えた人はマルチプライヤーになる素質を持っています。

 しかし「はい」と答えた人は(自分自身では想像したことはないかもしれませんが)、ディミニッシャーになる可能性があります。この違いは重要です。マルチプライヤーもディミニッシャーも同じ程度の心遣いを持って顧客と接しているかもしれません。そして、両者とも高いレベルでビジネスを理解しているかもしれません。しかし、組織内の思考、才能、課題、決定、オーナーシップに対する姿勢が根本的に違っているのです。

 ビジネスの過程で、社員の動きを客観的に見ていれば自分自身が、(またパートナ―においても)マルチプライヤーであるかそうでないかは容易に理解でききます。また、マルチプライヤーになる人の素養とは何か? ここには具体的に明記されています。

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