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闘いに勝つにはまず勢い――雰囲気作りグローバル時代のスマートリーダー術――100人の経営層から(1/2 ページ)

孔子は「善く戦う者はこれを勢に求めて人に求めず」という言葉を残している。組織に勢いがあれば勝つことができる。

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 「グローバル時代を生き抜くスマートリーダー術」というテーマで、前回は「情報は与えた人のところに集まる――キュレーション」について話しました。今回は、雰囲気作りについて話します。

雰囲気の悪い組織が成果を残せるか

 あなたの組織では、全員が朝挨拶を交わし日頃から話をしているでしょうか。雰囲気はいいほうでしょうか。

 社員が挨拶をせず、日々話をしないような雰囲気の悪い組織で成果が上がると思いますか。そのような組織で成果が上がることは非常にまれで、何かに挑戦しようという気持ちは生まれず、成長することもできないでしょう。

 成果が上がる組織は雰囲気が良く、みんなが和気あいあいと話をしている組織です。ある調査によると、効果的なコミュニケーションをとっている組織は、同業他社よりも1.7倍成果を上げているという結果が出ています。孔子は「善く戦う者はこれを勢に求めて人に求めず」という言葉を残しています。組織に「勢い」があれば、人の能力が多少劣っていても、勝つことができるということです。

 雰囲気が悪い組織では、出社するのが嫌になり、仕事がつまらない、退屈と感じる人も多くなります。面白くない仕事をしていると、ミスも起こしやすくなり、効率も落ちてしまうものです。

相手の言葉を封じ込めていないか

 あなたは部下が何か新しいアイディアを話したとき、しっかりと耳を傾けているでしょうか。前例がないからといってそれを封じ込めていないでしょうか。若手のアイディアをいろいろと難癖をつけてつぶしていては、雰囲気の良い組織にはなりません。

 ある経営者が次のように言っていました。

 取引先などに意識調査をすると、ありがたいことに多くの人から「○○社でよかった」と言われます。話を聞いてくれるし、話をしやすい環境はあるかもしれません。入社したばかりでもいい意見は持っているので、自由に発言してもらう。そうしないと良い技術は生まれない、という思想があります。

 社内はオープンな雰囲気なのでコミュニケーションも活発で、若い人にも年齢を重ねた人にも開かれた職場で、話しやすい環境です。若い人に対して上の人が「生意気だ、組織を無視している」ということはあまりなく、言っていることは正しいとか、言おうとする姿勢はよいと認めます。生意気なことを言う人がいるくらいのほうがいいものが生まれてくる、そういう環境や雰囲気をつくることを心掛けています。

 弊社には「ワイガヤ」という文化があります。「ワイワイガヤガヤ」の「ワイガヤ」です。会議室でなくてもいい、職場の片隅でもいい、上下関係なく話をしよう。相手が言うことについて間違っていれば指摘しようという文化です。1日話をしてもなかなかうちとけられない、3日くらいして本音が出てくるといわれています。最初に人が分かって、その次にやっと議論が始まり、そうするといろいろな意見が出てくる。よそよそしい議論から本音は出ないと思うのです。


 ワイワイガヤガヤ上の人も下の人も分け隔てなく議論をする。少し前に話しましたが、共に学び、共に教え合う、そのような文化が生まれることで、雰囲気が良くなるとともに、新しい発想が生まれ、それが循環し、結果として成果の上がる組織になるのです。

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