連載「知って、できて、当たり前!? 37歳の常識」について
37歳は35+2歳なのか、40−3歳なのか?――連載「知って、できて、当たり前!? 37歳の常識」は、40代以降を充実して生きるための100個のルールをまとめた書籍「あたりまえだけどなかなかできない 37歳からのルール」の一部を加筆・修正し、許可を得て掲載しています。
あなたが、転職を考えているとしよう。面接の際の「ところで、あなたは何ができますか?」という質問にあなたならどう答えるだろうか。何と答えれば相手が納得できる回答になるだろうか。
この質問の意図は、意外と深い。このひと言への答えで、あなたが自分の得意分野を体系立てて説明できるか、自分が何を得意としているのか、自分が好きなことと混同していないか、といったことが分かる。
僕の友人に、元人材関連ビジネスの人がいる。彼がいつも言っているのは「好きな仕事、できる仕事、儲かる仕事はそれぞれ違う」ということだ。企業人である以上、儲かる、儲からないという視点は必要だ。会社員の中にはこの視点がすっぽり抜け落ちている人がいるが、決して忘れてはならないポイントだ。
そして「好きな仕事」と「できる仕事」を混同してしまわないことだ。僕たちは、ともすると「できる仕事」のことを忘れがちになる。
10年以上も当たり前のようにやってきた自分の得意なことを、やれること一覧から漏らしてしまうことがある。それは自分自身にとってそれが、空気のような当たり前のことになっているからだ。しかし当たり前のようにできることは、自分にとって最も得意なことなのだ。当たり前のようにできて、当たり前のようにやる。それが最も得意なことなのだ。
そして好きな仕事が必ずしも得意なこととはかぎらない。下手の横好きと言うと言いすぎかもしれないが、好きだけれどミスばかりしている人も、世の中にはいる。
自分は何をできる人間か。それを知らないということは、何も分かっていない人だということになる。
あなたがいろいろなことに携わっているのだとしても、何か説明できるものを持つべきだ。20代なら「いろいろやってます」で通るかもしれないが、30代、しかも後半の人間がそれでは済まない。きちんと自分の言葉で得意分野くらい語れなくては、転職すらままならないと思う。今一度、自分のことを理解してみることだ。
大木豊成著
明日香出版社
1470円(税込み)
40歳を目前にした世代が、悩んだり困ったりしていることに対して、人生経験豊富な著者がアドバイスする。ソフトバンクグループで培った仕事術の他、家族、キャリアなどについて、100項目で指南する。
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