「口グセ」が作る新しい思考習慣:人生はサーフィンのように(1/3 ページ)
ネガティブな言葉ばかり口にしていれば思考がネガティブになるし、ポジティブな言葉を選んでいけば次第にポジティブになっていく。ポジティブシンキングではよくそう言われますが、本当にそうなのでしょうか?
以前ある人の言葉にカッとして、こう言ってしまったことがあります。「うっせえ。ふざけんな! バカ!」……気がついたのは言葉にしてしまった後、一瞬で後悔の念が沸き起こります。「あ〜、なぜあんなことを言ってしまったのだろう……」
毎日の仕事の中では、さまざまな出来事が起こります。楽しいこともありますが、同僚や顧客との人間関係、仕事上のミスなど、怒りや不安、悲しみといった嫌な感情の動きもあります。ネガティブな感情が沸き起こるのは、あまり気持ちのいいものではありません。
ネガティブな出来事に出会ったとき、「もっと前向きな思考ができたらいいなあ」「ネガティブな感情をうまくマネジメントできたらいいなあ」と思ったことがあなたにもあるでしょう。こういうとき「プラス思考をしましょう」「ポジティブに考えましょう」という情報がよく出てきますが、「そんなことは分かっている。それが簡単にできないから困っているんじゃないか!」という意見が大半かと思います。以前の私もそうでした。
でもね、実は私ちょっとしたトレーニングでだいぶ感情のマネジメントができるようになってきました。そして、思考習慣も……。
今日は、思考を前向きに変え、感情をマネジメントする効果抜群の方法をお知らせしましょう。
感情はマネジメントできるのか
「感情をマネジメントする」という言葉からイメージするのは、「いかに感情を出さないようにするか」ではないでしょうか。ネガティブな感情を抱くのはあまり気持ちがいいものではありませんから、「出ないようにしたい」と考えるのは不思議なことではありません。
けれども、それはどうやら叶わないようです。心理学者のダニエル・ゴールマンは、著書「EQこころの知能指数」(講談社プラスアルファ文庫)の中で、次のように言っています。
脳の構造からいって、情報が生起するタイミングや内容をコントロールするのはほとんど不可能だ
これは、私たちも体験的に分かります。怒りや不安、悲しみなどの感情は、意識でどうにかできる代物ではありませんからね。これに対し著者は「ただし、情報の持続時間はコントロールできる」として、怒りを鎮める方法を2つ紹介しています。
- 怒りの発端となった理由をもういちど問い直してみる
- さらなる怒りを喚起する要因のない環境に身を移して、急増したアドレナリンのほとぼりがさめるまで待つ
これも、私たちは日常的にやっています。確かに、これで怒りや不安、悲しみは多少楽にはなります。けれどもこれでもなかなか感情が静まらないことを、私たちは体験的に知っています。
今日ご紹介するのは、第3の方法です。
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