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ビジネスパーソンにとって滑舌は大事か?リーダーは低い声で話せ(1/2 ページ)

滑舌よりもゆっくり話すこと。早すぎると内容が理解できず、相手に伝わらない。ビジネスでは落ち着いいる、信頼できるそんな印象が大切。

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【質問】滑舌は大事ですか?

 最近、「滑舌が大事だ」という風潮があるようです。ボイストレーニングに行くと、たいていセットでついてくる早口言葉。「なまむぎなまごめなまたまご」などを延々と繰り返すアレです。口を大きく開けながら「あえいうえおあお」と母音を叫ぶトレーニング。なまけものの私は、すぐにへきえきとしてしまいました。

 私のレッスンでは、早口言葉のトレーニングはいっさいやりません。それでも、90分の講演をしていても、言葉を噛んだことはほとんどありませんし、会場の一番後ろの人まで言葉が届いています。「早口言葉の練習はしなくていいんですか?」とよく聞かれます。

 でも、私は逆にみなさんに聞きたいのです。一般的なビジネスパーソンが、難解な言葉を見事に早口で、つかえることなくしゃべらなければいけない場面なんてあるのでしょうか?

 私はこれまで、さまざまなビジネスパーソンの方のスピーチを聞いてきましたが、「ゆっくりしゃべりすぎている」と思った方はほとんどいません。どちらかというと、みな皆さん話すスピードが早すぎて、途中でついていけなくなります。ついていけないとどうなるか。気持ちがそれてしまい、眠くなるのです。

 また、「見事なしゃべりだなあ。上手だなあ」と思っても、帰り道なぜか「あれ? どんなことを話ししていたのかな?」と思い出せないことも多いのです。要するに、心に届いていない。せっかくよいことを話しても、伝わらなければ意味はありません。じつに、もったいないことです。早口コンクールではないのですから、話し方が多少ゴツゴツしていても、相手に伝わっていればよいはずです。

 「これはかみそうだな」と思ったら、そこは間をとって、ゆっくりしゃべればいいのです。当たり前のことかもしれませんが、ゆっくりしゃべれば、間違えませんし、滑舌も改善されて聞こえます。「間違えないように話そう」と思う前に、ぜひ一度、ゆっくり話すことを試してください。

 レッスンでゆっくり話すようにと伝えると、話している人は、「こんな間をとったことがないので、話していてジリジリする」「間が持たないと感じる」「いつもこんなに息を吸っていない」と一様に感じます。

 ところが、レッスンで録画したものを一緒に見ると、これまたほとんどの人が、「とても聞きやすい」「アナウンサーとか俳優のナレーションみたいだ」と言います。プロも、特殊な例は除いて、意外にゆっくりと話しているものです。だから、誰にでも伝わりやすいのです。録音や録画がよいのは、自分が話す「最適スピード」を客観的につかめることです。だから何度も録音してチェックしてほしいと思います。

 早口だった受講生が、横隔膜を鍛え、よく通る声でゆっくりしゃべることができるようになると、声が上滑りせず充実するので、ゆっくりしゃべっても間延びしませんし、自信にあふれて見えます。お腹を張り返しながら、横隔膜で間合いをとることを覚えると、言葉を話さなくても、間合いから気持ちが感じられるようになります。そして、今までと同じことを言っているのに、なぜか相手により深く自分の想いが伝わるのです。それを聴いた人は「この人は落ち着いた人だな」「しっかりしているなあ」「人格的に重みのある方だ」という印象を抱いてくれるのです。

【答え】むしろゆっくりしゃべりましょう。

「それでも滑舌を良くしたい人向け“舌筋のトレーニング”」

 横隔膜を鍛えればほとんどの問題は解決します。基本は「ゆっくり話すこと」を心がけましょう。しかし、どうしても滑舌を良くしたい人向けに、今回は特別に、本には書いていないスペシャルトレーニングを紹介します。コレ一つ実行すればどんな言葉でも安心して話すことができます。

■舌筋トレーニングのやり方

【手順1】口を閉じます。トレーニングの最後まで口は閉じています

【手順2】舌を下唇と下歯茎の間にさし込みます

【手順3】舌の先に力を入れて、右端から左端にゆっくり移動します。ゆっくり5つ数えて移動します。

【手順4】左端までいったら、そのまま力をゆるめずに右端に戻ります

【手順5】以上を3往復みっちり行います

【手順6】3往復終わったら、今度はそのまま上唇と上歯茎の間に移動

【手順7】同じように3往復行います


 きちんと行うと結構キツいです。週に3〜4回行うと1カ月ほどで効果が現れます。

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