高等教育を誰でもどこでも無料で「JMOOC」スタート 会員数3万人突破 メインはビジネスパーソン(2/2 ページ)
大学が提供するオリジナル講義をオンラインで無料受講できるMOOC講義の提供が始まった。スタート時点で会員数は3万人を超え、「100万人規模を目指す」と目標は高い。
放送大学は2コースの提供を開始。岡部洋一学長による「コンピュータのしくみ」、山田恒夫教授による「にほんごにゅうもん」を独自プラットフォーム「OUJ MOOC」で配信する。動画やリンクが埋め込まれた電子教材で学習を進めながらFacebookグループでディスカッションする形式で、教材のアップデートはタイムラインに通知される。
岡部学長は放送大学がMOOCに取り組む意義について「教育のあり方が日々変化している中、放送を通じた形式では難しい双方向的な学びのスタイルを蓄積する必要を感じている」と話す。JMOOCの理事長も務める白井克彦理事長は「放送時間の制約がなく、科目数に制限がないのがネット配信の魅力の1つ」としつつ、「単位や学位を授与するには個人認証システムなどの観点からまだ難しい」と違いを述べた。
「gacco」では年度内に18講座の開講が決定しており、現在「インターネット」(慶應義塾大学 村井純教授)、「経営(マネジメント)入門」(グロービス経営大学院 荒木博行教授ほか)「マンガ・アニメ・ゲーム論」(明治大学 氷川竜介客員教授ほか)などの受講登録を受け付けている。
JMOOCが掲げる目標は、「100大学との連携」と「利用者数100万人」。キャリア選択に望む高校生や、知的興味の強い社会人、企業教育の現場などに活用されればとしている。当面は会員企業・大学の会費で運営費をまかなうが、受講生向けのスタディツアーやフィールドワークの企画、企業研修への導入などビジネスモデルは検討していきたいという。
白井理事長は「教育面で共通の基盤を持つことは人類課題の解決につながるはずで、MOOCが実現している“高等教育の大衆化”は世界中で今後さらに進んでいくのでは。グローバルな動向を注視しつつ、日本の地域社会や少子高齢社会にも貢献したい」と国内の今後の発展と普及に取り組む。
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