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ビジネスを成功に導くための「人の動かし方」ITmedia エグゼクティブ勉強会リポート(2/3 ページ)

人を動かすためにはどうすればいいのか。1000人から10億人まで、規模別の人の動かし方を戦略PRの第一人者と「LINE」の仕掛け人が伝授する。

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1000人〜10億人を動かすポイント

1000人を動かすポイントは、次の3つである。

  • ピュアな理想に裏打ちされている
  • 少ない参画者で大きなことを成し遂げているというレバレッジが効いている
  • 達成すべきミッションがシンプルで分かりやすい。

 年間ダウンロード件数が1000万件を超えるインターネット図書館「青空文庫」向けに、著作権の切れた書籍を手作業で電子化するプロジェクトには、800人のボランティアが参加している。

 また2012年11月に京都教育大学の生協担当者が、間違って4000個のプリンを発注してしまったが、事情を知った学生がTwitterで購入を呼びかけたところ、同日の昼過ぎには完売した。その後、同様の事例が続いたため、「誤発注商法」という言葉も生まれた。

1万人を動かすポイントは、次の3つである。

  • 人間の根源的な亜要求や本能に訴えかける
  • コミュニティ形成を構造化する
  • 全体としての連携間を醸し出すことである。

 堀江貴文氏の有料メールマガジンは、開始から約10カ月で購読者数が1万人を突破し、現在1万5000人の読者を擁している。また手書きでラブレターを送る米国のボランティア団体には、49カ国、2万人以上のボランティアが参加している。

10万人を動かすポイントは、次の3つである。

  • 「自分ではない誰か」が作るストーリーがある
  • 共犯意識を高めることが行動を促す
  • 人が動いた具体的な数字を発表する

 「天空の城ラピュタ」がテレビ放映されるときに「パルス」という呪文を一斉にTwitterに書き込む「パルス祭り」が発生するが、2013年の放送では1秒間に14万3199ツイートの世界記録を達成している。

 またシリコンバレーの実業家であるサミール・パティア氏が31歳で白血病を発病したときに、ウェブサイトで骨髄バンクのドナー登録を呼びかけたところ、15万人以上がサイトを訪問し、2万人以上がドナー登録。無事にドナーが見つかった。

100万人を動かすポイントは、次の3つである。

  • 魅力的なラベリングを発明する
  • 「世間体」が出現する
  • 承認要求を満たす

 ネスレ日本では、コーヒーマシンを無償提供し、ネスカフェを広めるアンバサダーを募集。スタートから約1年で10万人のアンバサダーが集まり、現在では1日約100万人にネスカフェを広めている。

1000万人を動かすポイントは、次の3つである。

  • メディアを介さない「目撃体験」が始まる
  • シンボル性の高い「アイコン」が登場する
  • 世の中にすでにあるものを再定義する

 2007年にスタートした東京マラソンでブームが再燃し、日本のランニング人口は1000万人を突破している。また働く女性をターゲットにした、国内旅行ガイドブック「ことりっぷ」の累計販売部数は950万部を超えている。

1億人を動かすポイントは、次の3つである。

  • 人が動く「複数の要素」が必要となる
  • 新たな習慣を生み出す
  • ライフスタイルや価値観の違いに対応する

 2013年のハロウィン市場は1000億円を超え、1300億円のバレンタインデー市場に迫っている。国内の認知度もほぼ100%で、1億人が盛り上がるイベントになっている。

10億人を動かすポイントは、次の3つである。

  • 人間の本能欲求と普遍的ニーズに応える
  • 異なる人種を排除しない「寛容さ」が必要
  • 非言語コミュニケーションを取り入れる

 現在、LINEの登録ユーザー数は4億7000万人を超え、10億人を目指している。また世界最小の国であるバチカン市国は、ローマ法王を中心に据え、11億人のカトリック信者を動かしている。

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