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日本型のインダストリー4.0とは――モノではない、人と人がつながる「IoH」が鍵(2/2 ページ)

先行する欧米の動きに対し、日本はどう立ち向かうべきなのか。恐れているばかりではなく進むべきデジタル化の方向性を見極める時期である。

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物と物より、「人と人のつながりの見える化」が重要

 日本型インダストリー4.0では、顧客のニーズに対して組織が機動的に動くために、モノとモノがつながることよりも、人と人のつながりの見える化「IoH(Internet of Human)」が重要になるという。

photo 長島聡氏

 「日本は工場における生産性よりもホワイトカラーにおける生産性の低さが問題。ほかの部署の人たちが何をやっているのか、部門間の関係など、全体の動きがつながって見えるようなITの活用を積極的に行うべきである」(長島氏)

 人の動き、各部署の動き、部門間の関係図などを見える化することで、何が無駄で、どこを改善すると効率が上がるのか、また、どの部署間が連携すると何ができるのかなどが見える化できるようにする。さらに、各部門が生み出した付加価値と、その貢献割合も見える化することで切磋琢磨を促すことにもつながるという。

 また、自社だけの見える化だけでなく、協業するパートナーとのつながりも見える化することで、顧客のニーズに対して組織がよりきめ細かく動くことができ、顧客にサービスを提供するまでのリードタイムを短くできるという。

 「顧客のニーズに応えるためには生産、開発、マーケティング・営業など各部門、そして、パートナー企業ともうまく連携し、ニーズや時間軸(提供のタイミング)が“ぴったり”の製品・サービスを提供する体制を整える必要がある。日本におけるデジタル化はそれをサポートするためのものであり、主役はあくまで現場の人間」(長島氏)

 日本の現場力を生かし、顧客起点の付加価値を創出する上でも「人と人のつながりの見える化」が重要なのだ。

 長島氏は「IoTで、モノとモノのつながりが強く意識されるようになったが、人と人のつながりはあまり意識されていない。これからの日本は生産性を上げていくため、そして、顧客起点の付加価値創出のためにも、人と人がつながる“IoH”が重要になる」と話す。

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