本音は言ってもいい?:ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)
あなたはどれくらい本音で話しているか? 本音で良好な人間関係を築けるコミュニケーション方法とは。
この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。
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あなたは、どれくらい本音を話せていますか?
本当に思っていることなんて言えるわけがない、言ったらもめる、嫌われると不安に思うかもしれません。
でも、もし本音を口にしても、良好な人間関係が築けるなら、そんなコミュニケ―ションをしてみませんか?
みんな本音を勘違いしている
そもそも多くの人が「言えない」と思っている本音は、本音じゃないと私は思っています。本音とは、「感情的になってつい言ってしまう言葉」ではなく、心の奥底で求めていることだからです。
本音だと思われがちな言葉とは、例えば、
「どうしてこんなこともできないんだ」
「本当はそんなこと思ってないくせに」
「何度言ったら分かるんだ」
などの、感情的な言葉でしょうか。こんなことを言ったら、相手を傷つけてしまうかもしれない、嫌われるかもしれないと思う、だから口にするか、頭で思うだけなのかは状況によりますが、「言わないように我慢しよう」とするわけです。
でもこのような攻撃的な言葉は、理性が働かない瞬間の言葉です。考えられない状態の言葉なのです。
脳は感情が揺さぶられると、思考のスイッチをオフにして、反射的な行動をとるよう全身に指示を送ります。自らを守るために、そうデザインされているのです。
例えば、モノが落ちてきた瞬間「どうしようかなあ」と次の行動を考えていたら間に合いませんね。反射的に頭を覆うなどの行動をとるはずです。自分を守るためには、考えていたら間に合わないので、「危ない」と感じたら、思考はブロックして行動するように私たちは作られているのです。
だから、コミュニケーションにおいても同じことが起こります。自分のプライドや心の安定が脅かされそうになると、自らを守ろうとして反射的に何かを言いたくなるのです。このとき、落ち着いて考えることはできません。そのため後から、「どうしてあんなこと言っちゃったんだろう」と後悔することになります。
さて、話を本音に戻しましょう。そのような感情に翻弄されたセリフが、果たして人間の本音なのでしょうか?私は、そうは思いません。本音とは、もっと心の奥底に潜んでいるものです。心の深い場所で、満たしたいと願っていること。それこそが本音です。
では、先ほどの3つのセリフで本音を考えてみましょう。
「どうしてこんなこともできないんだ」というセリフを言いたくなる瞬間、自分が真に求めていることって何でしょうか?それは例えば、「相手を信頼して仕事をしたい」という気持ちかもしれません。
また、「本当はそんなこと思ってないくせに」と言いたくなる時の本音は、「誠実さや、正直さを大切にしたコミュニケーションをしたい」などが考えられます。
「何度言ったら分かるんだ」と言いたくなる時は、「相手の成長を願っている」のかもしれませんね。
このように、心の表面で感情が揺れ動いている時に、奥深い場所で静かにたたずむ、満たしたいと願っている気持ちこそが、人間の本音だと私は考えます。
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